Wakana

マダム・イン・ニューヨークのWakanaのレビュー・感想・評価

4.5
この映画を観て思い出すことは、私が小さい頃、少しだけアメリカの小学校に通っていた時に起きたある出来事について。今思えば、私が外国人との接し方を学ぶ第一段階だったのかも。

私が家族とアメリカに行った時は、まだアルファベットくらいしか英語を知らなくて、ブラックが少し怖くて、それを両親に言ったら「その態度はやめなさい、同じアメリカ人だろう」と叱られるくらいの時。
私が当時通っていた小学校は、日本人はおろかアジアンでさえ少なくて、最初は本当に学校が苦手で。
ある日クラスメイトに何か馬鹿にされた時があったのだけど、私は英語でとても言い返せなくて、とても悔しくて辛くて、放課後母が迎えに来た時に、その子の前にも関わらず日本語でめちゃくちゃに悪口を言った。そしたら母がものすごく怒って、「例え相手に伝わらないからといって、人を悪く言う言葉を使ったら相手にも分かってしまうから絶対にやめなさい」と怒鳴られてしまって。その時は味方をしない母に腹が立ったけど、今になって思うと、母の言葉がずーんと心に響く。

シャシの娘は、シャシが英語をわからないからっていろいろ馬鹿にしていたけど、言葉は分からなくとも馬鹿にされているということは分かるし、分からないなりに傷つく。だからこそ他国やその文化に対する尊重が必要なのだなあと気付かされる。

日本は(悲しいかな私も)他国に対する憧れからか「ガイジン」と日本人を過度に隔ててしまっている気がする。人種も言葉も信仰もセクシャリティも違うけど同じ人間だ!という考えをもっと意識しなければならないよなあ。
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