穴がないドーナツと資本主義経済の話。持たざるものが持てるものと同じ土台で勝負するには正攻法は捨ててリスクを負う必要がある、でもリスクは身を滅ぼす。いつだって一番弱いものが搾取される。
南北戦争より昔のアメリカが舞台の物語でここまで新しいのを見たことがなくて（『ラスト・オブ・モヒカン』を早く見なければならない）、ひとつアメリカの解像度が上がった。現代でない時代の社会を説得力もって語るにはとにかく丁寧さが肝要なのだと実感する（でも時として退屈さと隣り合わせでもある）。というか穴がないドーナツなんてドーナツと認めたくない気もするが、この当時にジャージー牛乳と蜂蜜とシナモンを使うドーナツなんて目が飛び出るほどうまかったんでしょうね……。
『オールド・ジョイ』の次くらいに好きなライカート。
