イチロヲ

I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIEのイチロヲのレビュー・感想・評価

4.5
赤毛の少女に一目惚れしたチャーリーが、万能犬スヌーピーの指南を受けながら、恋愛成就を目指そうとする。チャールズ・M・シュルツ著「ピーナッツ」の劇場用第5弾。原作者の息子クレイグ、孫ブライアンが脚本に参加している。

端的に言うと、ピーナッツの定番シーンを切り貼りしている、愛のあるパッチワーク作品。原作をトレースした作画とビル・メレンデス版の再現を売りにしており、奥行きを重視した高密度の3D/CG演出が新刺激となっている。

物語内容は、チャーリーが赤毛の少女に接近するべく自分磨きを始めるのだが、ナンダカンダで負の連鎖が働いてしまう、いつものヤツ。チャーリーが抱える恐怖症の描写が希薄だが、魅力あるキャラクターたちの持ち味が引き出されている。

本作のスヌーピーは理不尽な悪戯小僧ではなく、チャーリーを引き立たせてくれる、大親友の立ち位置。原作者シュルツの本能(=スヌーピー)、自我(=チャーリー)を推量させることが可能であり、シュルツへの鎮魂歌を感じさせるラストが印象に残る。
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