MikiMickle

ムカデ人間3のMikiMickleのレビュー・感想・評価

ムカデ人間3(2014年製作の映画)
3.3
トム・シックス監督の問題作かつ、人気ホラーの3作目にて、最終作‼今回は500人!

ある凶悪犯ばかりが集まる刑務所。
所長のビル・ボスは、ワンマンで残虐性を持つ男。彼の、囚人への拷問のせいで、医療費はつのるばかり。そのせいで、首の皮一枚で退職が繋がっている状態。
そして、ド鬼畜。囚人たちを去勢して、再犯を防ごうと目論むが、失敗に終わる。

そんな中、会計士で、ビルの右腕の(邪険にされてる)ドワイトは、大好きな『ムカデ人間』のようにすれば再犯も無くなるという提案をする。
そして、それは遂に実行されることに…

と……なかなかムカデ人間手術がでてこないですけど……
そこまで、長い(笑)

しかし、それまでは
ビル・ボスの狂気じみた狂った人柄のオンパレードです。
酷い差別主義者で、差別用語と、鬼畜な行動と、暑さから増長する狂気と、仕返しされるんじゃないかという恐怖と、ずっとそんな感じ。
どんだけ叫んでるんだか(笑) この演技で、たぶん脳の血管がブチブチ切れた事は間違いなし。ハゲ頭に血管が浮きすぎだから‼
こいつ、女性を性の奴隷としてか見てなかったり、ヤバめの囚人を虐待したり、女性の○○○○○の乾燥させたのを食べていたり、男の○○を切り取って食べたり、と、狂ってます(笑)

このボス役のディーター・ラーザは1のヨーゼフ博士を演じた人。寡黙な狂気の1と違った意味で狂気を演じています♪
また、会計士ドワイトは、2でオタク主人公のマーティン君を演じたローレンス・R・ハーディー‼
今回は、そのやばさは控えめながらも、恋など交えながら、不思議な異様な存在感を保っています。気持ち悪さが素敵
この二人の掛け合いが、なかなかの漫才w

さらに、トム・シックス監督、まさかのご本人役で登場(笑)
100%医学的に可能だよ~♪って、彼らに伝授します(笑)

1に出演した日本人俳優の北村明博さんも、エリック・ロバーツ(ジュリア・ロバーツのおじさん)も知事役で出演。

これ、セルフパロディーコメディー映画。
ムカデ人間ファンへの、忘年会みたいな感じ。


そして、風刺映画。
途中で「グアンタナモ収容所」の話がでてくるけれど、人を人と思わない、あの場所を皮肉り、かつ、アメリカを皮肉ってると思うのです。
囚人に「ひれ伏せ‼敬え‼」という願いばかりの所長は、愛国主義者の差別主義者で、アメリカの、一番になりたい、世界を掌握したい、自分は正しいという、“狂”の部分を表しているのではないかと…

な~んていう、そんな、深い映画でも全っ然ないですけどね(笑)

そして、そんな深みを感じさせないのは、相手も狂ってるような囚人という状況。
そこを描くことで、同情させなくし、あえて、コメディにしているのだと思います。

で、結局のところ、1と2の、面白さや残酷さや飛び抜け具合やヤバさは感じれなかったのです。それは残念でした。
結合アップシーンはあるけれど、
やはり、その、“繋げる”という、恐ろしい発想で驚かされた1や、モノクロで気持ち悪さを全面にだした2には敵いません。

が、トム・シックス監督の、この引き際の良さ‼
ダラダラと続く人気ホラーシリーズとは違って(それも好きだけど)、ここでおしまい‼って、こんな微妙な宴会的な感じで終わらせるのが、面白い
あ、でも、いもむし人間も出てくるから、また、その続編をつくるかもだけどw
MikiMickle

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