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イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密のぉゅのレビュー・感想・評価

3.7
2021年 鑑賞 21-339-23
アンドリュー・ホッジス氏による伝記「Alan Turing: The Enigma」を基に、グレアム・ムーアさんが脚色し、「パッセンジャー」等のモルテン・ティルドゥム監督による、二次世界大戦中にエニグマ暗号の解読に取り組み、後にに同性間性行為で訴追を受けたイギリスの暗号解読者を描くサスペンス歴史ドラマ作品。
ムーアさん脚本はハリウッドの優れた脚本を挙げる「ブラックリスト(11年版)」2の1位や、第87回アカデミー賞で脚色賞を獲得した(アカデミー賞他数々の賞で、多くの部門でノミネートされている)。

1951年、数学者アラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチさん)の家が空き巣に入られ、ノック刑事(ロリー・キニアさん)ら2人の警官が捜査に当たる。取り調べを受けたチューリングは、ブレッチリー・パークで働いていた頃を回顧する。1927年、寄宿学校で不遇の日々を送っていた若きチューリング(アレックス・ローサーさん)は、友人モーコム(ジャック・バノンさん)に触発され、暗号の世界にのめりこんでいく...

これは戦争映画だ!天才数学者が暗号の解読に挑むというストーリーを土台にしているものの、他国の一手先を読む暗号解読もそう、自分の上官の上に懇願を画策したり、二重スパイの疑いをかけられたり、上官に睨まれたり、一人で孤立して立ち向かうのではなく、仲間たちとチームで立ち向かう、新たに背負うものが増える... 死人も出ないし、重火器も出ない、戦車も飛行機もヘリも戦艦も使用しないが、確かに戦時中で、軍の内部にいる!頭脳を武器に、相手国に立ち向かう戦争映画!

度々、天才と同性愛が一人の中に共存しているという作品もあるが、天才 = 常人とは違う = 普通じゃない/異常 は違うと思う。 普通じゃないから、同性愛者というのも絶対違う!普通なんてものは人それぞれ。自分の尺度が、他の人と同じではないということをお忘れなく!

“ありがとうは?”
クラーク(キーラ・ナイトレイさん)がまたいいの!時にチューリングとともに暗号と戦い、時にチューリングの背中を押し、時にチューリングを支える。本当にいい関係!しかも、チューリングとヒュー(マシュー・グッドさん)らをチームにさせたのも彼女が間に入り、チューリングに助言した。私も性格がチューリングっぽいので、参考にしたい!なんて思った。が、指輪を友達に見せるシーンで、「(指輪が)普通じゃ駄目なの」的な台詞があって、少し幻滅したが、チューリングはクラークが抱く普通以上でいて欲しいんだろう。と、いう妄想補完で納得。

“ずっとそう(同性愛者)だと思ってた 私たちは人とは違う 私たちなりに愛し合い生きていければいい あなたは完璧な夫じゃないし 私も完璧な妻になる気はないわ そして一緒に暮らすの”
暗号は解け、戦争も連合軍が勝って、そのままの勢いで平和的に終わるのか?と、思っていたが、●●治療、クリストファー、独りじゃない、指輪、クロスワードパズル... ある種胸糞?でも、その場にいたクラークの言葉は唯一の救いだった...

ラストのテロップも感慨深い。
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