トリックスター

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密のトリックスターのレビュー・感想・評価

3.7
コンピュータの元を作った男の話。
第二次世界大戦下、ナチス・ドイツが使用した暗号機「エニグマ」の解読を軸として話は進む。
毎日24時になると、暗号解読に必要な「鍵」が初期化する為に、24時間以内に解読する必要がある。しかし到底人力では間に合う量ではなく、苦汁を舐める日々。

ベネディクト・カンバーバッチ扮するアラン・チューリングは、「目には目を、歯には歯を」の原理で、「エニグマ(機械)にはクリストファー(解読機)を」の考え方は非常に単純明快。
イギリス、ひいては世界大戦終結のために、エニグマ解読成功を最後まで秘密裏にした彼らは、間違いなく、影の英雄だろう。

最後に、劇中でも描かれているが、暗号解読施設であるブレッチリーに勤めていた者や、解読に関わった人々の記録は一切抹消されているはず。
そのような情報が限られた中で、アラン・チューリングという天才数学者の生きた証を、その最期ではなく、彼の人生と業績に焦点を当てた脚本に敬服致します。