Kirisshy88

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密のKirisshy88のレビュー・感想・評価

3.7
【感想】
『ボビー・フィッシャーを探して』や『ソーシャル・ネットワーク』のような実在の個人を描いた伝記型ノンフィクションである。上記二作と異なるのは、単に主人公アラン・チューリングの個人的ドラマにとどまらず、大二次世界大戦という20世紀の「大きな物語」の中での天才科学者の苦闘が描かれている点である。ナチスやソヴィエトに対するイギリスの当時の諜報機関の動き、イギリス内での派閥などが交えられており、ナチスの暗号解読のタイムリミットもスリリングでドラマとして惹きこまれた。
芸術映画とは言い難いが、チューリングのコミュ障と幼少期のイジメ、同性愛や婚約の苦闘など個人的「小さな物語」と先の大戦という「大きな物語」がバランスよく描かれている佳作である。
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