にこ

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密のにこのレビュー・感想・評価

4.0
こんな事実が約50年間も隠され公にされていなかったことに驚きでした…
あれだけの功績を成し遂げたのにもかかわらず非情な人生の幕閉じを迎えなければならなかった天才数学者アラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)が本当に無情で…

まず、題に含まれているエニグマ。
この映画をみて私ははじめて知ったのですが、エニグマとはナチスドイツで作られた暗号機で、機密事項を無線で伝えるのに、内容が絶対にわかられないようにするための機械で、その設定を日によって変更ができ、その設定がわからず解読している間に日が変わると同時に設定も変わり解読は一からやり直しになる、ということをやっちゃう機械。
各国で解読しようとしたが全て失敗。解読不可能と言われたエニグマの解読に挑んだ、というのが話しの大筋です。
本筋はこの暗号解読するべく、暗号解読装置を作ることへの奮起するところなのだけど、その中でのチューリングの人生やこの時代背景の無情さ、生き辛さなどの肉付きがまた素晴らしく、あまりにも救われないチューリングに対して悲しさがこみ上げるがこの歴史的偉業を知ることができてすごく良かった。

このアラン・チューリングがね、自称天才の変人で、少しどころかまさに変わり物、我が道を行き、言葉の節々に皆顔をしかめ、アスペルガー症候群のようにコミニュケーションがあまりにもひどい…笑
ランチに行こうか、のくだりは声出して笑いそうになって堪えたわ笑
あとりんごのところ、どんだけ不器用なんだよ!!!っていうのがもう可愛くって愛おしくって…
でもやってることはほんとすごいことで、現代のコンピューターの基盤となるものを作った人、というところでももうやばくないか?!と驚き
その上、暗号解読によって戦争を2年以上縮めることになったという事実。
その期間でどれだけの人が救われたか。
それだけの偉業を成し遂げたにもかかわらず、国から徹底的に秘密にされ、国からの恩恵なんて全くなく生活をする。
いや、むしろ同性愛者であることが許されていなかった時代でもあり、目も当てられない仕打ちに合ってしまうチューリング。
あのクロスワードのシーンはもう…あかんやろ…
ずっと孤独の中に生きたチューリング、唯一と言ってもいい理解者がいたにも関わらずその孤独から抜け出せずに生涯を終えざるを得ないその時代に無情…

そんなチューリングを演じたベネディクト・カンバーバッチ、素晴らしかった。
かなり株上がりました。不細工だけど←やめろ

こういう、死後になってから評価されることになった偉人や芸術家ってたくさんいるけど、
やっぱり生前その評価を本人に伝えられなかったのは悲しいと思うよ。
その遺族らは誇りになるだろうけど、本人は認められずに亡くなっていくなんてさ、その人の生きた意識の中では救われないまま終わってるのって、悲しいよね…
にこ

にこ