あきしげ

ビッグ・アイズのあきしげのレビュー・感想・評価

ビッグ・アイズ(2014年製作の映画)
3.0
陰のマーガレット、陽のウォルター。

良かった点。

・マーガレットは絵の才能
・ウォルターは商売の才能
・画家職人と詐欺師の末路

悪かった点。

・解決方法にカタルシスはない
・マーガレットの自業自得物語
・ウォルターの独壇場は場違い

60年代にブームとなった絵にまつわる実話。
あのアンディ・ウォーホルすら褒めちぎった。

残念ながら“ビッグ・アイズ”は知らなかった。
この事実については本作によって初めて知った。

主人公のマーガレットは職人画家。
ただ絵を描くだけの生きている人。
だから口下手で内気で欲を持たず。

一方のウォルターは生粋の詐欺師。
口先だけで世の中を渡り歩いた人。
だから口達者で社交的で欲望の塊。

まさに陰と陽の関係性をみせている本作。
これが上手くかみ合えば世界を巻き込む。
ビッグ・アイズが世界的に有名になった。
マーガレットとウォルターの力であろう。

ただし、片方の欲によって崩壊する。
これが本作におけるテーマだと思う。
チームを組む上で条件がすべてです。
最後まで足を引っ張った最初の条件。
お互いが納得した上でかわした条件。
これが成立すれば最後まで安定する。
だが、どっちかが折れた条件は違う。
これこそが徐々に崩壊の道をだどる。

本作は何もない男と勇気のない女。
この二人が組めば最強だと分かる。
でも、それは諸刃の剣というモノ。

個人的にマーガレットの弱さに苛立つ。
なぜ行動があそこまで遅くなったのか。
状況を悪化させたのは彼女自身の弱さ。
だから最後にはカタルシスはなかった。
あきしげ

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