Mrsフロイ

潜入 最も危険なテロリストのMrsフロイのレビュー・感想・評価

3.2
誰が本当のテロリストか・・

2011年のフランス制作TVムービー。今に続く中東和平問題のイスラエル、パレスチナ紛争のテロ攻撃と諜報戦を、フランスの元将校の実話をベースにしたポリテイカルアクション。

1980年代、パレスチナのアラファト議長率いるPLOはテロ攻撃から国際協調へと舵を切るが、これに反対する元幹部が過激派組織を立ち上げ、PLO支援国フランス、イタリア、オーストリア各地でテロ攻撃を仕掛ける。
危機を感じたフランスは、過激派幹部に直接接触し交渉の結果テロリストの解放と引き換えに、過激派組織の若者をフランス本国の大学に留学させる作戦に成功する。
留学生の一人を過激派に潜入するスパイに仕立て、情報を操るのがその目的。

地味な展開が却ってリアリテイを感じる画面。淡々と拷問が行われ、人が殺されていく。
スパイに仕立てられた若者が書く手紙で、自国の若者には暴力という選択肢しか無いとの言葉が強烈に哀しい。

フランス側と交渉する時に、過激派幹部は成功すればご婦人の衣装と武器をフランスから買う事を約束する。
フランスは、米国、ロシアに継ぐ世界の武器輸出国トップ三位。

実は二度目の鑑賞。
そもそもの中東和平問題がどんなものなのか、あちこち読んで理解。
トランプ大統領が米国大使館をイスラエルに移設したのも唐突な奴だなぁぐらいに感じていたが、そこに至るまでにはクリントン大統領時代からの経緯がある事が分かった。
そして、イスラエルとパレスチナの対立激化にフランス、アメリカが大きく関与。結果としてのイスラム国やシリア内戦に繋がっている。

日本はせめて武器供与しないで欲しいと願うが、日産やトヨタの車両が多く関わって後方支援となっているのだろう。
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