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メイズ・ランナーのikoanのレビュー・感想・評価

メイズ・ランナー(2013年製作の映画)
2.9
ある閉ざされた環境の中に、理由もわからず突然放り込まれた少年達の、サバイバルな脱出劇。
十五少年漂流記の様なロマンや、蝿の王の様な人間心理は描かれず、もっとドライで現代的な、正にゲーム感覚の映画!僕はゲームをやらないのでよくは分かりませんが、ゲーム業界と映画業界との相互補完的な匂いもしますかね?
少年達はトライアンドエラーを繰り返しながら、情報を得、敵を倒しアイテムをゲット、そこから脱出する事で、自分達をコントロールしている存在、つまりゲームのルールを作っている存在に近づいていくと言う話、かな?って思ったんですが、ちょっと違ったみたい。
原作は少年向け?の小説で三部作になっているそうです。映画もなんとか脱出成功したかと思ったら、次なる展開へ…。正に第一ステージクリアってとこですかね。
マトリックスにアーキテクトがいた様に、この映画にも実験の主催者、ゲームの創造者がいる訳だけど、映画の主題は創造者を暴くと言うより、置かれた状況を如何に切り抜けるかにあるばかりで、観る側はゲームのプレイヤーと言う位置に置かれてるんですよね。こういうのって、社会のルール、政策、国の行く末はお上が決めて我々は単なるプレイヤーだって事みたいで、なんだかとってもやな気分。若者こそプレイヤーではなくアーキテクトになるべき!折角選挙年齢も引き下げられるんだから、与えられた状況を切り抜ける生き方ではなく、積極的に状況を作っていく側になるべき!なんて事が頭に浮かんでしまう作品でした。お上から与えられるのではなく、お上をコントロールするのが我々主権者ですもんね。なんてね。
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