ローマを取り巻く環状道路の
周辺から見えてくる人間模様。
何組もの人々が登場し、ある者はそれぞれに、またある者は自分語りを始める。
ごく普通の日常を切り取ったような映像が続き、それぞれに明確な相関関係はないため、ともすると狙いがわからないように見えるが、恐らくは本作の目指す所は、「何が」「何を」というものではないのだと思う。
あくまでもローマに生きる人々をピックアップして、生き様を通じてローマという都市を考えることに立ち返る。一見脈絡のないように見える数々のモチーフだが、何故か見ていて心地よさを感じさせるのが素晴らしい。