豚肉丸

グリーン・インフェルノの豚肉丸のレビュー・感想・評価

グリーン・インフェルノ(2013年製作の映画)
4.5
活動的な意識高い系大学生たちが、過激なパフォーマンスをして森林破壊を止めさせようとする活動をしていたら飛行機が墜落し、墜落した地で食人族に襲われるお話

『食人族』を現代版にリブートした作品をなんですが、個人的に『食人族』よりもかなりエンタメもグロもパワーアップしていてとても楽しめました。
しかもテーマは一貫して「食人族と人間、どっちが野蛮なのか?」なのもリスペクト精神が感じられて...良かった......

本作の主人公たちはツイッターによくいる典型的な環境問題考えていますよ系意識高い大学生。森林破壊を止めるためなら例えブルドーザーに身体を鎖でくくりつけるのも厭わないパフォーマンス集団。しかもその光景をネット配信しながら...
とまあ、そんな行動をして森林と原住民を守ろうとしたところで、逆に原住民に食われてしまうという展開がかなり笑える。結局原住民たちは大学生たちを食料としか見ていないのである......
そして、その野蛮さがオリジナル版の『食人族』とかなり変わっている。オリジナル版は外部から人間が来ても普通に接していて、なんなら一緒に食事会を開いたり川で遊んだりするぐらいには意志疎通ができていた。食われた原因も「主人公たちが村を燃やしたりその他もろもろ悪の限りを尽くしたから」と自業自得でしかなかったのでテーマの『野蛮』が少し気にかかっていた。けど、この作品では食人族たちがしっかりと『野蛮』なので、『一体どっちが野蛮なのか?』というテーマも難しくなっていてとても良かった。森林破壊を進めたり、エゴで行動をする人間たちと、外部から人間が来たら残虐に殺して調理してしまう原住民たち......
しかし、笛の音のおかげで原住民の男の子と仲良くなった...ってシーンがあるかは『野蛮』とは言いきれない。もちろん外部から来た人間たちをあっさりと殺してしまうのは『野蛮』そのものだが、彼らも人間なので心動かされる出来事があったり感動したりもする...
もしかすると、男の子一人だけに限らず友好的な姿勢を見せていたら原住民たちとも仲良くなれたのかもしれない...
いや、目の前で仲間を惨殺されたら絶対無理だわごめんなさい......


難しいことは考えずとも、普通にスプラッター映画としても面白い。飛行機墜落シーンなんかは、今まで全く血が出てこなかった中での突然のスプラッターが衝撃的で良かったし、真っ先に殺される男性はかなりグロテスクで気分が悪くなる。あのシーンはほぼ『肉だるま』だったな...
そしてマリファナ作戦は凄く笑えた。マリファナを吸って楽しくなっている原住民、良かったな。


一番面白かったのは、映画を見たあと塾に行ってる途中で、反原発デモをしている人たちを見たこと。この映画を見たあとだとどうしても...うん.....
豚肉丸

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