イチロヲ

セックス・チェック 第二の性のイチロヲのレビュー・感想・評価

4.0
陸上選手の育成に励んでいる熱血コーチ(緒形拳)が、両性具有の診断結果を受けた選手(大楠道代)を支援していく。セクシャリティ問題を先駆的に取り上げている、ヒューマン・ドラマ。

日本が誇るトンデモ映画のひとつとして数えられているが、その中身は増村保造が掲げている「女性の幸福論」そのもの。熱血コーチの心の動揺を通して、競技者としての能力を取るか、女性としての魅力を取るかの二者択一へと着地させていく。

先にあらすじを読むと、両性具有の選手との交流劇がメインプロットだと勘違いしてしまいがち。実際のところ、両性具有の診断が下るのは最後のほうであり、そこに至るまでの過程(熱血コーチの倫理観の刷新)が物語の骨子になっている。

「外性器はどうなっているの?」「生理はどうなってるの?」「パンツの上から分からないの?」など、様々なノイズが発生してしまいがちだが、そこは割り切って捉えるのが、大人の嗜み方というもの。
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