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白い沈黙のはのレビュー・感想・評価

白い沈黙(2014年製作の映画)
3.4
割と面白かった。
作中では軽視されてる感じの父親だけが有能で、警察が全員ボンクラなのが、イライラさせるという引きを作り出してていい。
無能なだけでなくしばらくしたらアホ警官同士で付き合ってたり、囮捜査で小物を捕まえてドヤ顔でパーティやテレビで語っちゃうのも面白い。
ていうかこの監督はどれだけ警察に深い憎しみがあるんだろう? というくらい、完膚なきまでに警官を滑稽で無能に描いていて親しみが持てた。

時系列バラバラはすぐ慣れたものの、あまり効果はなく、混乱させるだけにしかなってなかったと思う。
そのせいでちゃんと回収してる伏線に、意味がなかったと思ってしまう部分があった。
いわずもがな、細工と小細工、トリックとギミックのところ。

以下ネタバレ


細工と小細工について、あれだけ意味ありげに繰り返し、主人公に回想までさせておいて回収されなかった事があまりにも気にかかったので、ネットでいろんなレビュー見たりしたが結局わからなかった。
仕方ないのでもう一度その辺りを見返して見たら、おそらくこういうことだよね。

1 娘、脱出を考え続けている。監視カメラで、フィギュアのパートナーの男の子、アルバートが今も左右別の色の靴を履いているのを知っている。
2 自分に小説を書かせたい犯人に、アルバートとの接触をさせるように仕向ける。
父親と会った後近いうちに、犯人グループの誰かがアルバートに接触するのは知っている。
3 父親と会うシーン。
とにかく犯人にばれず、アルバートを張れということを伝えたい。
その日にした話で、今でも約束を守っているのは誰かを考えさせたい。

とまあ、そんな所ではないのかと。
で、この2と3が映画では前後が入れ替わり、2が見られるのも3の大分あとなので、この二つが結びつかず意味がわからなくなっていると。
自分ではそう解釈したのですが、違うとかこうだよという方いたら教えて欲しいっす。
未だに釈然としないところもあるので。

ネットのレビューみたら、娘が犯人に協力する意味がわからないとかあって逆に不思議だった。
協力しなきゃ殺されるかもしれないじゃん。
ストックホルム症候群とか洗脳とかじゃなくて、娘が犯人に信頼されるよう従順を演じてるってことはすぐわかると思うんだけど…
父に会わせた理由も、麻酔弾で寝かせた理由も映画見てればわかると思うのに、その部分で酷評されたりしててそれは違うと思った。

どこからネット繋いでるのかがすぐバレないのだけはまあ不自然。
時系列変にバラバラにしなければもう少し評価されてた作品だと思う。
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