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ジミー、野を駆ける伝説ののんchanのレビュー・感想・評価

ジミー、野を駆ける伝説(2014年製作の映画)
3.7
ケン・ローチ監督14本目❗️

1930年代のアイルランドを舞台に、実在した活動家で裁判もなく国外追放となったジミー・グラルトンを描いたドラマ。

原題の『Jimmy's Hall』は、ジミーが仲間と一緒に、芸術やスポーツを学ぶために手作りした「集会場」のこと。
教会や地主たちに抑圧された貧しい庶民たちの憩いの場として使われたホールを中心に、イギリスからの独立やカトリック教会、アイルランドをめぐる様々な問題を織り交ぜ、これまで語られることのなかった《無名の英雄》の姿を、ローチ監督がその時代からインスパイアされて描いている。

私は2006年製作の『麦の穂をゆらす風』がとても心に響いたが、同じ30年代のアイルランドの話で既視感があったせいか?若干、ピンポイント過ぎて物足りなさを感じてしまった。

実際のところ、ジミーの心の内までは想像の範疇となるため、豊かで人間味のある人物として描くためにはどうしても創作部分があったらしい。それは、初恋の女性との想い、そして別れて10年後の出逢い(女性はジミーに想いがありながらも結婚し2人の子供がいる)で、お互いにまだ気持ちが通じている。それは不倫とまでにならない映像なので良いのだが...なにか描き方がちょっと馴染めなかった。

また神父たちの描き方も史実をドラマ化するのは危険だったという事で、神父は激しい敵意を持っているものの、一方でジミーの高潔さに敬意を示している。という風に肉付けされているらしい。

観終わってから少し調べたら、自分が疑問を持ったところがその部分だったので、なるほど、ならば仕方ないのかな?とは思ったけれど...
今までの作品と比べると、少しだけパワー不足な気もしたかな?

劇中のアイリッシュダンスは見ものでした✨👏🎶



2021-114
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