ちろる

ボックストロールのちろるのレビュー・感想・評価

ボックストロール(2014年製作の映画)
3.8
改めて最近のストップモーションアニメって本当に素晴らしいなーと見入ってしまうクオリティ。

箱の中に入って地下で生活する怪しい妖怪ボックストロール。
この街では、夜中このボックストロールによって子どもたちがさらわれてしまうという恐ろしい事例があり、権力者ポートレイランド卿に執心する害虫駆除業者が率先してボックストロール駆除を行っていた。

なかなか毒々しさもあって、一筋縄ではいかないプロットが大人でも楽しめるストーリー。
勝手に悪者にされてるが実は優しいボックストロールと、まじ悪人スナッチャーとボックストロールの味方につく子どもたちの構図で結局のところ戦いは子どもVS悪い大人になってく。
ちなみに自分の利益のために悪の構図をひっくり返すスナッチャーが悪いのはもちろんだけど、娘の声が全く聞こえないようなポートレイランド卿もなんだかなー、、、
この物語に登場する大人たちはみんなどこか欠落してて、そのかわりまだ子供のエッグスとウィニーがかなりのしっかり者。
でも、これは珍しいことではなくほんとはこんなものなのかもしれない・・・
子供の方が正しいこと、正しくないことの区別をなんのしがらみもなく選ぶことができるし、お金持ちとか権力者とか関係なく危ないから危なくないかを見分けることができるからこういう子供の感度を蔑ろにしちゃ絶対にいけない。
臆病だったボックストロールも子どもだと思ってたエッグスの魂の訴えに動かされて、あっと驚く(笑える)戦い方をしてくれるとこも愛おしかった。
CGアニメとはまた違う、ほんとうにクレイジーなほどの技術でここまでなめらかなアニメーションを作ってしまうクリエーターさんたちに感動!
感謝の気持ち倍増するのでエンディングの最後の最後まで見逃さないで楽しんで欲しい作品です。
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