よつ

0.5ミリのよつのレビュー・感想・評価

0.5ミリ(2014年製作の映画)
4.8
冒頭、息が詰まる。サワがまだ正常(っていう言い方もどうかと思うけど…)な時だからこそ際立つ狂気。
そのあとも中々ハードな展開だったけど、安藤サクラの演技にめちゃくちゃ惹きつけられた。本当に人好きじゃなきゃできないような演技というか、あの空気感とか、いい意味での強引さって演技で身につけられないものなんじゃないかと思った。吹っ切れているからなんでもできてしまうような怖さもあった。

出会って巻き込まれていく老人たち。思いたくはないけど意地らしかった。同情できるような状況でも年齢でもないし、知らないのに、なぜか同情を煽られてしまう感覚。同情はしたくないんだけど…。
2人目の、自転車を返していくのがすごく良かった。結局二人目のじいさんがめちゃくちゃ色々くれた。ヤクザに唾かける安藤サクラがカッコ良すぎた。
えろじじいも良かった。あじの天日干しを監視しているシーンのサワとの距離が縮まっていることが伝わった。

老いを希望的に描くなんてことは決して無く、むしろ辛いことが前面に出てるように感じる。それでも生々しい生命感と生活感があって体力持ってかれた。なんか、老人特有の発酵しているような匂いが伝わってくるような映画。
正直、この内容で3時間は辛い。体力もってかれた。安藤サクラと柄本明の殴り合い最高だった…。
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