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0.5ミリのsamiamのネタバレレビュー・内容・結末

0.5ミリ(2014年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

有楽町スバル座最終日さよなら上映会にて観賞。監督の安藤桃子さん、主演の安藤サクラさん、エグゼクティブプロデューサーの奥田瑛二さん(つまり父娘姉妹!)のトークショーとセットで。

素晴らしい作品。ストーリーもキャラクター設定も秀逸。オムニバス的な5つの独立したストーリーから成っている。ただし、1つ目と5つ目は人物が繋がって。

自宅への訪問介護士として働くサワが、被介護者の男性の娘から、被介護者の冥土の土産にと添い寝するよう依頼され受け容れる。その晩、寝ている間に、被介護者から執拗に顔を舐められたサワが驚き飛び起きた拍子にストーブの火が被介護者に燃え移り火事を起こしてしまう。一方被介護者の娘は階下で首吊り自殺していた。それを見つめる被介護者の孫マコト。。。という、かなりエキセントリックな出だし。。。

職を失ったサワは、かなり強引に複数の老人男性と接触し、そこから住まうところを確保していく。
最初はカラオケ店で一泊、次からは老人男性の家に無理矢理住み込んで。。。
始まりは無理矢理でも、家事特に料理を見事にこなし、老人の心を捉える素敵な人間性から老人達は皆サワのファンになってしまい最後には一緒にいて欲しい掛け替えのない存在になっていく。。。そのプロセスの描写がとてもいい!
4人目の老人と別れた後にマコトと再会。父親と住んでいるマコトの家、海の家で生活し始める。父親から暴力を振るわれ逃げたところで、実はマコトは女の子であったことが判明する。
回想シーンの中でマコトの母親がマコトを坊主頭にして男の子として扱うことを始めたところ、はたまた、母親とサワに添い寝をさせた祖父がテーブルに座り酒を飲みながら話しているところを映し、祖父は実は寝た切りのような状態になく、共謀してサワと祖父を寝させたことを示唆している。つまりマコトの母親の異常性を示し、マコトの苦しかった状況を現している。。。

4番目の老人役は津川雅彦御大。勿論ではあるが素晴らしい演技。戦争体験を語る長いシーンがあるが、これは6分間1カット1発取りで撮ったとのこと。ここで語られる一語一句は、監督が海軍出身の老人を取材したときに実際に語られた言葉そのままとのこと。。。トークショーの中で語られていた。

トークショーはとても面白かった。興味深い話を沢山聞けた。彼等は本当に良い家族だね。。。ほっこり。。。柄本明さんも出演してたんだから、義理家族も一緒に、勢揃いしたところみたかったな、なんてね。。。😊

本作は、安藤桃子監督の同名小説が原作とのことなので、是非原作も読んでみたい。私の地元のブックオフ2軒と本屋2軒には無かった。
明日、新宿で探してみよう。。。。
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