TS

ルック・オブ・サイレンスのTSのレビュー・感想・評価

ルック・オブ・サイレンス(2014年製作の映画)
2.8
コンセプトとしてはとんでもないドキュメンタリー映画ですね(笑)これは姉妹作の『アクトオブキリング』の監督が手がけたいわば続編であるのですが、視点が前者と少々違ってます。

アクトオブキリングは加害者に、実際の殺しの犯行を再現させて、その愚行を自分の実行によりわからせるというとんでもない映画でしたが、これは被害者の目線から加害者にインタビューをしていくという、これも一触触発の映画です。

何をインタビューするかというと今から50年ほど前に発生したインドネシアでの共産主義者の虐殺の話。50年たった今でも彼らは昔のことと割り切り普通に生活しています。いや、むしろ自分たちを英雄のようにも思っているようです。

眼鏡の度をあわせるために特異な眼鏡を持ってきて、一定の親密度を得てからインタビューするという手法が印象的でした。彼らは英雄のように殺しの話、または再現をするのですが、被害者の兄の青年が、真実をポロっといった時の加害者たちの反応はとんでもないです。やらせでもなんでもない真っ当なドキュメンタリーと思えます。

カメラを止めろ!とキレ気味になる加害者にも怯まずカメラをむしろクローズアップする監督(笑)相当な勇気がいります。

これはアクトオブキリングを世間に発表する前に撮影をしたらしく、アクトオブキリング、ルックオブサイレンスをインドネシアで上映した時は唖然となったらしいです(笑)監督はインドネシアに出禁になってしまいそうですね、、、
まさに一生をかけたトンデモドキュメンタリー映画でしたね。。

と、肯定的に感想を述べましたが、合わない人は本当に合わないと思います。
この類の話に全く興味がない方がみると、退屈で仕方ないと思います。アクトオブキリング以上に静かで淡々。先ほど言った一触触発の緊張シーンもありますが、現実世界のことであり、映画としてみるだけならばさほどでしょうし。。

なのでアクトオブキリングとセットで見るのが必須なので、ドキュメンタリー映画が好きで、アクトオブキリングも好みだという人にしかオススメはできません。

しかし内容としては誰もが知っておいたほうがいいと思いました(°_°)
TS

TS