ルック・オブ・サイレンスの作品情報・感想・評価

「ルック・オブ・サイレンス」に投稿された感想・評価

masa

masaの感想・評価

3.3
1965年にインドネシアで発生した最悪の軍事クーデターのことをインタビュー映像で綴った記録映画
その大量虐殺によって加害者となった人々のインタビューが「アクト・オブ・キリング」
続編として制作され、被害者のインタビューが「ルック・オブ・サイレンス」
ラストシーンの「ごめんね」
この一言のためにこの映画は有るのかも知れない。
記録映画であり、ドキュメンタリーである性質上、その題材も重く難しく悲惨な事件を掘り起こすため、映画に娯楽性を求めるだけの人は見ないほうがいい。面白いとか面白くないとかそういう類の物ではない。でも是非見て何を感じるかを自分に問うて欲しい。
ただし1つ付け加えるなら、映画として世に出す以上はもう少し見やすくする演出は必要なのでは?とも感じた。
Yukiko

Yukikoの感想・評価

4.0
2018年4月22日
『ルック・オブ・サイレンス』 
 2014年デンマーク・フィンランド・インドネシア・ノルウェー・イギリス制作
監督、ジョシュア・オッペンハイマー。

1965年にインドネシアで発生した軍事クーデターでの大量虐殺
を加害者の視点で描いたのが『アクト・オブ・キリング』。
今度は前作で扱った事件を被害者の視点から描いた続編が
『The Look of Silence』。

インドネシアで秘密裏に行われ、100万人もの命が奪われた
大量虐殺。
眼鏡技師の青年アディさんは、自分が生まれる前に兄が惨殺
されたことを知り、更に加害者達がインタビュー映像でその
模様を喜々として語る姿にショックを受ける。
加害者達がどのような思いで殺りくに手を染めたのか、そして
罪を犯したことを自覚させたいと考えたアディさんは、
オッペンハイマー監督と一緒に彼らと会うことを決意し、
視力検査を行いながら、加害者達から様々な言葉や真実を
引き出そうとする。


ルック・オブ・サイレンスの意味は沈黙の眼差し、沈黙の姿と
いう意味とのこと。
主人公のアディさんの静かな態度、だけれども目が気持ちを
物語っている。
やさしい目、冷ややかな目、目が心の中を映し出している!

何事にも、両者言い分があるはず。
何らか事が起きた時、被害者側、加害者側の夫々の、
そのような行動をとらざるを得なかった、その時の状況や
環境、気持ちがあるはず。
第三者は、両者の言い分を聞いて、初めて公平なものの味方、
判断が下せる。
片方の言い分だけを聞いての事の収め方は、真実を見落とすと
思う。

多くの人は、被害者と加害者が対峙した場合、加害者側の横柄
な態度に接したら、被害者側は激高して加害者をなじったり
すると思う。
そういうこともなく、アディさんは淡々と物静かに相手に
疑問をぶつける。
しかし、加害者側の方が詰め寄られた質問にたじたじとなり、
逃げようとしている。
両親の認知症を理由に、病気を理由に、昔のことだからを
理由に、子供だったので分からなかったを理由に。

ラストに加害者の妻が夫の昔の行為を「ごめんね」と一言謝る。
その一言にアディさんは優しい眼差しでその妻を見つめる。
そうか、アディさんはその言葉、事の真相を知った上での
そのごめんねの一言が欲しかったのかと、観ている此方は
気付く。

観ていて思うのは、自分の気持ちを抑えて行動できる
アディさんの知性の高さを感じる。
そして、抑圧された環境に身を置いての生活、我慢を強い
られ、感情を出せないでいる状況下を想像する。
対して、犯罪行為を喜々として語る被害者側の思慮分別の
欠如!

軍は惨殺の実態を黙認していたと言うが、何故だろう?
正義であるはずの警察機関はきちんと機能しているのか?
インドネシア政府はこの歴史をどう考えるのか?

重い内容だが、『アクト・オブ・キリング』とセットで
観ることをおススメします。
兄を殺された男性が、当時の真実を知るために実際の加害者やその遺族に話を聞いて回るのに密着したドキュメンタリー。
『アクト・オブ・キリング』の被害者目線バージョン。
もう見てもらわないことには…という感じ。
映画の点数ももうつけていいのかよく分からん。つけたけど。
アクトオブキリングを被害者側から見る映画。
前回が衝撃的だっただけに、見るのにかなり勇気必要だった。

開き直る加害者側を見て、プロパガンダの恐ろしさ、集団圧力の恐ろしさを改めて実感する。
murataku

muratakuの感想・評価

3.6
衝撃的な会話がたくさんあって目を離せないんだけど、
映像が冗長すぎる。

もったいなし。
『アクト・オブ・キリング』の続編。
今度は、被害者遺族が加害者に直接話を聞きにいくという視点で主に進行していくのだが、前作が面白かったのは、映される真実が衝撃的だったことと、アンワルさんのキャラクターが面白かったっていうだけのことで、監督のドキュメンタリー作家としての力量はそれほど高くなかったんじゃないか?と感じてしまうくらいにメリハリのない映画作品だった。
平凡な若者を主人公にしたら途端につまんなくなっちゃった。オッペンハイマーも、撮るなら撮る、喋るなら喋るで、カメラの外側から口だすなら気の利いたこと言ってほしい。
それに、当時のアメリカや日本は虐殺のことを知ってて黙認してたわけで、二作目なのに、そこに触れないで実際に手を汚した加害者にだけ過去の責任をおっ被せるってどうなの?って問題もある。
そりゃあ殺した方が悪いに決まってるし、人殺しが現在も権力を握ってるのは酷いと思うけど、そういうことを非難したいんならインドネシア政府相手に一人でやってろよ。目的もハッキリしてない奴に、話を聞きに来られても迷惑だろ。悪いやつになら何してもいいってか?如何にも西洋人的な思考だ。
残す価値のない映画だとは言わないけど、ドキュメンタリーとしての面白さは前作の足元にも及ばないし、撮影する姿勢も不快だ。
ss

ssの感想・評価

-
「アクトオブキリング」を観ていたのでこちらも。
「責任なき悪のメカニズム」

当時の様子を興奮気味に語っている彼らは、とても異質に見える。
狂っているようにも見える。

でも彼らにとっては当たり前のことだったし、そこで何か疑問に思うことすらない環境だったのだろう。
いや疑問に思う余裕も、必要もなかったのかもしれない。

明日も普通に今日と同じような日が確約されているような平和な世界に住んでいる私が、正義だの悪だの言える立場じゃないのかもしれない…と思ってしまうほど。

主人公のアディは兄を殺された。
兄を殺したとされる人たちに会っていくアディ。
比較的彼は表情を変えることなく、事実を受け入れていく。
どんなに惨いことを言ってもあまり表情を変えなかったアディが女の胸を切り裂いた話をしているときに、思いっきり眉間にシワを寄せていたのがとても記憶に残っている。

「殺したやつの血を飲んだんだ。そうじゃなければ俺はおかしくなっていたね」
アディが貴方の父たちに私の兄が殺されたと言うと、「過去はもう忘れて」と虐殺者の家族たちは言い放つ。
…ちょっと何言ってるかワカラナイ。
え?ちょっと待って下さいな、と言いたくなることばっかり。

傷を負わせた側が「もういいでしょ!もう!」って言うことは許されないことだと気付いた。

2018/2/25
インドネシアでこんなことが起こっていたなんて知らなかった。まだまだ知らないことばかりだ。

このレビューはネタバレを含みます

前作『アクト・オブ・キリング』よりも救いが無いように感じました。
加害者の娘さんが被害者へ共感してくれるところが、唯一の救いに感じましたが、それも主人公と同じ苦しみが彼女に付加されただけで・・・
末端の人間だけが苦しんで、トップの人間は知らぬ存ぜぬ。

これはこの国だけの問題ではなく、日本を含めた全世界的な問題。
この問題提起を、一人の人間を通して伝えてくれる本作は、よりこの問題を普遍的に感じさせてくれると思いました。

また、このシリーズを通して、「勝者の歴史」の怖さを感じます。
なん

なんの感想・評価

3.5
痛い。
上の指示だから関係ない、知らなかったから関係ない、自分はやってないから関係ない
過去のことだからもういいでしょ
やられた方はいつまでも覚えてるんだよな
よく名前出して映像化したと思う
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