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ヴェルサイユの宮廷庭師のTOTのレビュー・感想・評価

ヴェルサイユの宮廷庭師(2014年製作の映画)
3.6
原題はA Little Chaos 。
秩序ある宮廷社会と庭園造りに投げ込まれた、小さな混沌の分子である造園家サビーヌの物語で、師匠のル・ノートルも太陽王ルイ14世も宮廷の女性達も、彼女に触発されて彼ら彼女らを縛る窮屈な秩序から解き放たれる。

ヴェルサイユにフランス人が庭作る話でなんで英語?ってのと、お話がラブロマンスや主人公の悲しい過去、女性の自立など要素ぶつ切り詰め込み感は否めない。
でも、コスチュームや宮廷の生活は面白いし、フォンテーヌブローでの女性との語らいからルイ14世謁見のシーンは素敵。
こういうシーン入れてくるアラン・リックマンって優しいなぁって思った。

ケイト・ウィンスレットが額に汗かき泥にまみれて一心不乱に庭造りに励む姿は強い美しさ。彼女はクラッシックな雰囲気が本当によく似合う。
まあ、あととにかくマティアス・スーナールツが鬼かっこいい。マティアス・スーナールツが長髪で時代物とかそんな…って思ってたけどゴメンなさい。かっこよく見え出したら、画面に現れる度に目を奪われて夢中でした。

ラストは完成した庭園「舞踏の間」で美しいスコアにのって踊るルイ14世の姿に止めどなく涙が溢れた。
演じたアラン・リックマンの死後というオプショナルな感慨も多分に含まれるけど、作品の美しさ優しさに胸打たれたのも確か。
うっとりするラブロマンスでもあるので、是非うっかり軽い気持ちで御覧ください。
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