電気羊

マップ・トゥ・ザ・スターズの電気羊のレビュー・感想・評価

3.7
クローネンバーグ監督が、実話を元に暴くハリウッド映画界の暗黒部。

統合失調症を患っている主人公の女の子(ミア・ワシコウス)は、家族に睡眠薬を飲ませた後、自宅に火を放ち全員で無理心中を図る。だが、家族は全員無事避難し全員命を取りとめる。
だが、女の子は重度の火傷を負い病院で治療を受けていたのだが、回復したとして、故郷のハリウッドに戻って来る。

そこでは、ハリウッドスターを患者に持ちメディアにも登場する著名な父親と、ドラッグ依存治療中の子役スターの弟と弟のステージママを務めている母親が暮らしていた。
女の子は家族に知られぬようSNSで知り合ったキャリー・フィッシャーのつてで、かつて継父と著名なハリウッドスターであった実母から性的悪戯をされていたことがトラウマになっている落ち目の女優の家政婦として雇われる。

だが、落ち目の女優のかかりつけの医師が女の子の父親であったことから、父親は娘がハリウッドに戻ってきたことに気が付く。
父親は、家族の平穏のために娘に金を渡し遠くの血へ追いやろうとするのだが。その他にも、父親は、姉が父親と母親が実の兄妹であるという禁断の関係も知っており、そのことを公表されることも恐れていた。
薬物依存であった弟も、火事で死にそうになったトラウマを抱えていた。ある日、弟は、映画のロケ地に来ていた少年を姉の幻覚と混同し絞め殺そうとしてしまう。

ステージママはこのことが報道されれば、かつて娘が一家を焼き殺そうとした過去までマスコミに暴かれるのではと錯乱の末、自宅で焼身自殺してしまう。丁度、その現場に居合わせた父親もあまりのショックに精神的虚脱状態となっていた。
精神病院で拘束されていた弟は、芸能人好きの看護師の協力を得て病院を抜け出し、自宅に戻ってきたくるのだが、動かない父親から結婚指輪を抜き取って立ち去る。

次に弟が訪れたのは姉が雇われている女優の家であった。
そこでは、姉が付き合っていた彼氏を寝取った女優を、撲殺した姉が自殺を考えているところであった。
姉と弟は、両親のように血が繋がっていながら二人で結婚の儀式を多量の薬物とアルコールを同時に摂取し服毒自殺するのであった。

なかなかヘビーな話ですな。まあ芸能界は一般市民よりも色々あるとは推測できるけどね。
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