ねまる

Mommy/マミーのねまるのレビュー・感想・評価

Mommy/マミー(2014年製作の映画)
3.8
マイマザーを観た後だと同じところ、違うところに気付くところがある。
アンヌ・ドルヴァルとスザンヌ・クレマン2人とも違うキャラクターを演じるが、母親役と教師役が同じなのも面白い。

ADHDの息子と彼となんとか暮らそうとする母親、2人を支える隣に住む教師。
母親と息子の関係は全然違う。

前作が主に息子の視点からの内なる自我のぶつかり合いだとしたら、
今作は母親と息子を窓からのぞいているよう。そして、カイラのようにその親子にだんだん近づいていく。
自我をぶつけ合っているのではなく、なんとか2人で生きていこうとしている姿に胸を打たれる。

映像が美しい、ずっと美食をいただいているみたいな高級感の中にいる。
短期間に、こんなにグザヴィエ・ドランの映像を観るのはあまりに贅沢だ。

Oasisの"Wonderwall"
ああ、このための、スクエアの画角だったんだ。
窓の内側に篭っていた人たちの、壁を押し広げて、世界へと飛び出すんだ。
あまりにもあざといが、スティーヴの表情と、両手を広げスケートボードに乗る姿に、音楽とその映像に、パーフェクトなシーンだと思った。

母が委ねた希望。
マイマザーのママへの複雑な気持ちとは違う、ママからの愛。それが母が息子を思う気持ちなんだ。
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