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Mommy/マミーのcanoのレビュー・感想・評価

Mommy/マミー(2014年製作の映画)
4.5
グザヴィエ・ドラン監督作品、初鑑賞。
揺さぶられた。
音楽、映像の魅せ方、脚本の全てが斬新な切り口で、重いテーマなのに明るい。美しい。

暗いだけじゃない。もちろん苦しいことは理解できているからこそ、生きる喜びや美しさをみせてくれる。
重く暗くかなしくも見えるけど、見方によっては前を向いた自由さに捉えられる。最後も人それぞれ解釈の仕方があると思う。

1:1の映像と、顔の一部のアップを多用することで、閉塞感と不安を煽られると同時に、見えない部分とこの先が気になって感情が高揚した。スローモーションやぼかし、撮り方に臨場感とリアリティがある。批評も色々あると思うけど、私はすっとこころに入ってきたなぁ。
音楽が何より素晴らしい。セレクトも、タイミングも、今までの映画とまるで違う。そう来たか!の連続。
すごく面白く感じるところばかりだった。

ドラン監督の作品を勝手に、お洒落でアートすぎるんじゃないかなんてイメージしていたけど、そんなもんじゃなかった。ドラン監督の作品もドラン自身にも、とてつもなく興味を抱かされた。彼の演技を見てみたい。セルフリメイク前の作品も見てみたい。


公開からしばらく経ち、劇場が少ないということもあると思いますが、かなり埋まっていました。さすがです!
また、20代前半くらいの女性客が多かったのも印象的です。
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