表現手法すべてが美しい傑作。
アスペクト比1:1と絞りの浅い焦点が登場人物たちの閉塞感を表しているよう。
画面比の変化で登場人物の心理を表現するなんて一歩間違えばダサい演出になりかねないのにしっかりとキメてるドランはやはり秀逸な才能の塊。音楽も文句なくキマってる。
親子の愛、愛の本質を考えさせられるカロリーを使う映画。これまで観てきたドランの映画はぜんぶそうだがこれは特に親子の愛の形を扱っていて自分も息子がいるだけに否応なしにも自分事として観てしまう。
ADHDの息子を持つ母ダイアンの決断のクダリはちょっと辛すぎて目を伏せてしまうほど…でも彼女にとってはそれが未来への希望なんだよな。だからこれは希望に満ち満ちた映画なのだと信じたい。
ドランは扱うテーマも含めて本当に好きだ。
そして「わたしはロランス」にフレッド役で出てたスザンヌクレマンがこの映画ではまったく違うキャラクターで出てるんだけどすごく良くてこの女優も一気に好きになった。