このレビューはネタバレを含みます
特別大きな事や山あり谷ありな作品ではなく人間や感情を描いた淡々とした映画だった。
主人公が遺産を受け取って豊かであること以外、取り立てて理不尽な様子も横暴なこともなく感じた。兄妹感のもつれた感情は色々あるけれど、夫の資産で慈善事業をしている妻の不服が稚拙に見えて理解が難しい。夫が言うように夢見たことと違った結婚生活への不満なのだろうが、その前に何をして生きてきたのかと思うほど世間知らずで、貧しい人が一番されたくないことをする。自尊心を傷つけられることの屈辱に気づかないほどには結婚前から恵まれていたのだろう。この夫は歳がとても上なわりには妻を尊重して、見る限りではまおまあいいパートナーに思える。どこまで行っても何かが不満な女性なのかな。世の中や他人をもっと知ろうね。
見る前は190分でずいぶん長いと思ったものの、見始めると集中できてあっという間だった。どうするのか気になって見続けてしまう作品だった。
こうした静かな作品を久しぶりに観て、とてもよかった。