カンヌ映画祭パルムドール受賞作のトルコの映画。
世界遺産のカッパドキアの洞窟ホテルのオーナーの男は親の遺産もあり美人の若妻もいて何不自由ない暮らしのように思えるが、その内側に入るとところどころ綻びが見えてくるというストーリー。演劇的な対話による言葉を巡る他者とのディスコミュニケーションの男の孤独と外界の壮大な風景。
宣伝文句にあるようにチェーホフの家族劇みたいな感じもあるかな。建物は古いけどネットとかで宣伝しているようなオーナーの男は現実的なブルジョアで地方新聞にコラムを書いている。それを読んだ出戻りの姉にチクチク批評されたり。妻は慈善家でそれだけが生きがいを感じるような。愛も冷めている。
やっぱカッパドキアの圧倒的な風景だろうな。日本だと白川郷の冬の風景は趣もあって美しいが中に入ると人間関係はそうでもないという感じか。遠くから眺めるから美しいというのあるのかもしれないな。時間も場所も。それと部屋の壁に飾られていたお面が効果的だったような。お面を付けるシーンとか。
(2015年07月18日)