アメリカンスナイパーの生涯を知って、観に行きました。
アメリカ目線の戦争映画なので、かたきを打ちたい・とにかく勝ちたい主人公に感情移入しましたが、それもふしぎな話です。
マイケル・ムーア監督は今作を批判しましたが、彼の叔父は第2次世界大戦で日本軍の狙撃手に射殺されているそうです。
自国を救うために、情を捨て、自分の幸せを捨てた結果、ヒーローになりましたが、その仇がPTSDという病気なんでしょうか。言い切るには短絡的で不毛な考えですね。
平和な時が落ち着かなくなるほど、家族や仲間だけでなく国民一人でも多く助けることだけを思って戦う、そんな誰よりも強い信念を貫き立派に生きられた方のお話でした。
自分が知っている限り、死というものはいつも突然で、不条理なものが多く、どうも不甲斐ない気持ちになります。
政治的や私的な感情を抜きにしてもしなくても、他人が一人の人生を終わらせるのは、普通抱えきれないはずの大き過ぎる問題だと思います。
クリス・カイルの最期も、悔やんでも悔やみきれない。
ブラッドリー・クーパーは、さすがの役者魂だなと思わせる役づくりだと思いました。クーパーの面影はほとんどなく、クリス・カイルが乗り移ったようです。
クリントイーストウッド監督の魅せ方は流石というか引き込まれました。
伝記ということもありますが、淡々とさせている中にぐっとくるものがあります。