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人が人を愛することのどうしようもなさのnyakoのレビュー・感想・評価

4.0
石井隆監督のサイコサスペンス。
天使のはらわたから続く、これもまた名美の映画。
今回村木の名前はちらっとだけ。

売れっ子女優の名美は新しい映画を撮っていた。
その映画の役名は鏡子といって、夫の不倫に悩み、女優と娼婦ふたつの顔を持つ女性だった。
その鏡子もまた劇中劇でゆうこという女を演じている。
その境界は曖昧で、虚実入り混じり、愛に渇望する名美の世界は血にまみれてゆく。

どしゃ降り雨の中の電車。
座席でM字開脚、ご開帳の姿を向かいのカップルにガン見せする場面の異世界感。
鏡子の顔キメすぎでもはや妖魔の域だった。演じる喜多嶋舞の迫力!

唇に塗りたくる口紅が血なのかルージュなのかもうわからない。
ツダカン演じる岡野の捧げるだけの愛は報われないけれど、これはこれでいいんだと思う。
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