nyako

マルグリット・デュラスのアガタのnyakoのレビュー・感想・評価

3.8
アガタという別荘で男と女が語りあう。
冬の暗い光に照らされ、曇った窓から見える海辺。
二人は兄と妹。
女性は愛しながらも別れを決意しているようだ。

ほぼ二人の姿は映さず、建物とそこで流れる会話。
まるで建物に思念が残り、時が経っても語り続けているかのようだった。
景色の合間に二人の動作や様子の文章が書かれた本が映されて、朗読劇なんだろうな。
たまにビュル・オジエ。。チェアに足をあげて座っているだけで美しくて、別れの予感で男が死にそうな気持ちになるのがわかるような。

なんとなく全編ぼんやりと観てしまったんだけど、
二人が若い頃の思い出を語る場面(1時間経過あたり)は景色しか映っていないというのに、官能の香りがもの凄く、心動かされた。
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