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マイ・リトル・ヒーローのrage30のネタバレレビュー・内容・結末

マイ・リトル・ヒーロー(2012年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ミュージカルのオーディションに挑む、三流音楽家とハーフの少年の話。

負け犬達の成長&成功物語であったり、ハーフ少年のアイデンティティーの問題だったりと、話自体は面白そうだし、テーマも興味深いなと思ったのですが、映画自体の出来はイマイチだったかな…。

本作最大の問題は、話の大きさと尺が合っていない事でしょう。
ミュージカルのオーディションという事で歌唱シーンも多いし、主人公やハーフ少年のバックボーンも複雑で、とにかく描くべき事が多い。

その結果、主人公達の修行や交流はモンタージュで処理され、ライバルとの対決も特に盛り上がらずに終わり、主人公がフィリピンに少年を連れ戻すシーンはカットされる始末。
これでは、ほとんどダイジェストを見させられてる様なものだし、省略してしまった部分こそ、じっくり見たかったのですが…。

また、最後に改心するのは分かってるとはいえ、主人公のクズっぷりを見させられる時間が長いのもイライラさせられる部分ですし、差別の問題も表層的な部分をなぞるだけで、深いところまで踏み込まないのは物足りなさを感じました。

子役の演技は素晴らしかったし、人種差別というテーマも良いだけに、もっとシンプルな話にしても十分面白くなったと思うんですけどね。
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