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フレンチアルプスで起きたことのtdswordsworksのレビュー・感想・評価

4.4
祝!2作連続パルム・ドール!
ということで、2014年の東京国際映画祭で鑑賞しておりました、リューベン・オストルンド監督の意地の悪さの果てしなさに目眩がするような本作(上映タイトル『ツーリスト』)のレビューを。

あらすじ。スキーリゾートのテラスで家族で昼食をとっていたら雪崩に襲われる。客は皆パニックになる。妻は子供たちを抱えて立ちすくむが、夫は一目散に逃げる。幸いなことに雪崩はテラスの手前で止まり、事なきを得る。当夜、アレどういうこと?と妻。認識の違いだよ、と夫。せっかくの家族団欒を楽しみたいという思いと、処理しきれないモヤモヤを抱えながら、一触即発のバカンスは続く。

あーやばい。心がザワザワしっぱなし。英題「ツーリスト」からは、旅行という特別な状況下ゆえの葛藤を意識させられる一方、邦題の「起きたこと」からは、人的・物的被害はないけれど取り返しのつかない言動の厄介さが際立っていてこれまた巧い。関係に進展がありそうな場面でちょくちょく邪魔が入るのもほんとうに意地が悪くて好き。

ちなみに僕が好きなリューベン・オストルンド監督作品は次のとおりです。『哀しみのトライアングル』の公開が楽しみ。
・プレイ 5.0
・フレンチアルプスで起きたこと 4.4
・ザ・スクエア 思いやりの聖域 4.2
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