男子版「アメリ」とも評されているこの作品。確かに「アメリ」っぽい、奇想天外ワールドが繰り広げられる。
やっぱり、こだわりの美術が楽しい。
オリエンタルな装飾が施されたグランドピアノ
ベートーベンの譜面立て
グランドピアノの形をしたバースデーケーキ
かわいらしい茶器
ブルーを基調とした、落ち着いた雰囲気の漂う
いつもお揃いの服を着た二人の伯母とポールが暮らす部屋
対照的に生命力があふれる、カラフルな色彩のマダム・プリーストの部屋。
綺麗で楽しい映像でありながら、「アメリ」よりも挑発的で、実は物悲しくも感じる。
例えば、中国人、インド、仏教など東洋の描写が、あれ?ちょっと馬鹿にしてない?とも感じてしまうんだが、これもあえての表現なのかと。
それでも最後には、心に蓋をして生きてきたポールが、不思議なハーブティーの力を借りて、こぴっと過去と向き合って、前を向いて生きていく姿にほっこり。
劇場を出て、エスカレーターを1フロアー降りると、奇しくも、ハーブティーの専門店が。ドライハーブの詰まった大きなガラス瓶が並ぶ光景に、思わずゾクッとした。