"光だ。光の向こうは闇だ。全てを覆ってしまう。音楽など聞こえない。目の網膜に焼き付く。"
"ピアニストは魂の放火魔。犯罪者だ!!"
"ピアノを弾くなら犯罪者であれ。クソになるのだっ!!光輝くクソであれっ!!!"
by クルジンスキー先生
巨人の星の大リーグボール養成ギブスか!?っていう…ウィーンピアノ強制フィンガースプリンガーを誕生日プレゼントに贈られる主人公ポール。そんな彼には、ピアノだけが"光"のはずだった。
彼が心を閉ざしてしまった理由とは。
それをね。如何にもおフランス映画…って感じで表現されてんのよ。おうおう…これは苦手な類の作品ですぜぇい…。と、かなり身構えてたんやけどさ。意外に意外に、惹き込まれていくのよ。不思議とね。それって、きっとおフランス流小ボケにハマる日だったからだと思うのねん。基本的に、僕は今までおフランス人の感覚をおバカでナンセンスだと思ってたけど…。ちょびっとだけ好きになれそうだわん。
おフランスの笑いって、ちょっと性格捻じれてそうなのがいいよね〜。スパイスの効き方がやべぇのよん。
それでいて。そのダークさを無理くり、ファンシーさで有耶無耶にしてこようとする根性が逞しくね??そこが、この作品は秀逸だったのよん。
画面から溢れる優しい光と溌剌とした緑に、心地良い音楽。それに一切の引けをとらない強力過ぎるキャラクター。
これも僕の偏見なんやけど。ティーパ好きなヤツって…悪い人じゃないけど、ちょっとネジがイカれ気味なのよね。
この作品の主役と言っても過言ではない、ハーブティーなんてヤバ過ぎるっしょ〜。アスパラガスとキノコを煎じたモノはお茶ではござらんよいっ。
物語は、ピアノに耳を傾けながら嗜むハーブティーの様に。体の芯からホワホワする感じで進んでいくのん。なんだ〜??このアロマティックな一時は…。決してクソハッピーな作品ではないのに。重々しくもなく。鑑賞後に、日々の障害がちょっとだけ"なんくるないさ〜"って思えてしまいそうな雰囲気ね。それが、何かよ〜分からんけど…めっちゃおフランス人っぽいと申しますか。
ピアノこそがボクだった
白いオッサンに誘われるまでは
あなたのドリップした
ハーブティーとマドレーヌ
ボクを閉ざされた記憶の世界に
トリップさせる
滴る雫が 思い出に波紋する
ボクが見てきた世界に
奏でられる音楽と感情
それは本当にボクの感覚か
楽しかった記憶と 不安だった感情
ボクはボクを取り戻す為に
ハーブティーを飲むんだ
本当にボクが探していたモノは
ボクじゃなかった
ピアノなんて嫌いだ クソバカヤロー
"暗い記憶は幸せの水たまりへ。それが私の願い。蛇口を開けなさい。"
by 友人 プルースト
Cast(役者·キャラ) 4
Story(物語) 3.5
Architecture(構成) 4
Picture(画) 4.5
Acoustic (音) 4.5
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