まりりんクイン

ある優しき殺人者の記録のまりりんクインのネタバレレビュー・内容・結末

ある優しき殺人者の記録(2014年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

白石監督による、日韓合作のジャンル分け不能povモキュメンタリー。
去年劇場で観れずなかったことが最も悔しかった作品です笑

今回改めて観て、本作は
「グロテスク」「オカルト」「超悪人」「コワすぎ!ファイル4」などのこれまでの白石作品にあった暴力、オカルト要素の集大成が詰まっていて、更に、
現在発売中の最新作
「コワすぎ!最終章」にある
全編長回し、パラレルワールド、そして、それをメタ的に利用した「映画」という表現に対する愛情たっぷりなメッセージ
などの要素まで含まれていて、
改めてこれを去年観られなかったことを海よりも深く後悔しました…

特に、メッセージの部分は、
ファン向けに徹し過ぎていて自分はもう一つ乗れなかった
「最終章」に比べてもよりすんなりと、より深く心にささってきて非常に良かったです。
全編ワンカットも、ほぼ一部屋の中で話が展開されるにも関わらず殆どダレを感じませんでした。
韓国語と日本語による「言語スリラー」要素が入っていたのが良かったですね。

予告を若干観ていたのもあり、「まあ監督のことだし、例の如くまた最後はとんでもないトコに着地するんだろ?」
という覚悟はして観てたんですが、まさかそれが
「ハッピーエンド」という着地だとは夢にも思わなかったので、覚悟も虚しく心底不意打ちを喰らい目頭が熱くなりました…やられたわ…気持ちいい

「オカルト」や「コワすぎ!」で
あんなに猛威をふるっていた異世界の神々も、
「プロデューサーの意向」という王いなる力の前には屈服するしかなかったようで、今回は非常にいい奴になってたのには笑いました笑
またそれが、「神々の意思は気まぐれで、人間に対して善にも悪に
もなりうる」という感じになっててより白石作品の神を不気味かつリアルな存在に感じてしまいました笑

本作は暴力とオカルトのバランスが非常に良く、韓国が舞台、キャストも韓国陣多めという海外向けなルック、そしてあっと驚き胸が熱くなるラストという、

「ノロイ」以降の白石節全開作品の中では最も万人向けな物になっていると感じました。
(まあそれでもかなり人を選ぶとおもいますが!)

最高に楽しかったです!


(最初、主演のキム・コッピさんが「息もできない」の女子高生だと気付かず、
「誰だっけこの西原理恵子をすげー綺麗にした感じの人…絶対どっかで観たことある…」と思いながら観てたました笑
役者陣も良かったです!)
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