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悪童日記のSCALAのレビュー・感想・評価

悪童日記(2013年製作の映画)
3.6
一心同体


第2次世界大戦下、小さな町へ疎開した双子の兄弟が時に残酷な手段をもってしても生き抜いていく姿を描いた人間ドラマ、、、


何処にでもいる普通の双子の子供たちが厳しい戦時下での理不尽、痛み、空腹、運命に耐えて生き抜くには"悪童"にならざるを得なかったという残酷な現実をまざまざと見せつけられる。

自らの意思で肉体と精神を研ぎ澄ますかのようにいじめ抜き訓練する双子の眼差しからはなんとしても生きるという強い覚悟と狂気、時に悲哀が見え隠れする。

そんな一心同体だったはずの二人が最後に下した決断と方法に愕然とし、その先の続きが知りたくなった。

原作の方はもっと生々しくエグいらしいが、映像化された本作は描写そのものはわりと控えめ。

モノローグで語られる分かりやすいストーリーである反面、内容の陰鬱さや黒さから簡単に人に勧められる代物ではないが一見の価値は十分あるように思う。


"戦争は終わった"
"だけど僕らに平和は訪れない"
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