マッサージ屋

刺さった男のマッサージ屋のレビュー・感想・評価

刺さった男(2011年製作の映画)
4.0
かつて広告会社に勤め、エリートだったロベルト(ホセ・モタ)は2年失業中で生活費や子供達の学費が払えず追い込まれていた。
就活するも空振りに終わったある日、妻ルイサ(サルマ・ハエック)と新婚旅行で泊まったホテルを下見に出掛けたがそこは博物館に変わってしまっていた。
開業前の博物館には多数のマスコミが詰めかけ取材している。
忍び込んだロベルトだが誤って落下し、頭部に鉄の棒が突き刺さってしまう。
ピンポイントで命を落とす箇所には刺さらなかったが身動きが取れない。
やがて居合わせたマスコミがロベルトをテレビカメラで映し出し・・・。

一応ブラックコメディとうたっているが、全く笑えない。
後頭部に鉄の棒が刺さって動けないなんて地獄ですよ〜。
しかし人生の一発逆転を賭けたロベルトはマスコミに取材させてギャラをいただこうという発想になるわけです。
その追い込まれた心情を考えると本当に笑えない。

逆にマスコミの中には助からずに死ねば家族に高額ギャラを払うと交渉する輩も現れる。
他人の不幸はカネになるんでしょうけど…確かに下世話な人間(私を含めて)はそういったものが嫌いではないのは間違いないでしょう。
でも…あからさま過ぎてねぇ。

そんな事故の狂想曲がオチでどうなるかと思いきや、そこはリアルなんですよね。
そこもあり得ないミラクルじゃないんだ!とビックリしました。

人間の醜さと家族の愛が見られる作品でしたね。