ぜにげば

劇場版 PSYCHO-PASS サイコパスのぜにげばのネタバレレビュー・内容・結末

1.0

このレビューはネタバレを含みます

サイコパス 1227 1
酷い。 この映画と言うよりはサイコパス全体が。途中で我慢の限界を迎えた。これ以上は見ない。
犯罪係数を指標に犯罪を犯していない人を罰するなら犯罪係数は絶対でなければならない。文字通り絶対で、99ではダメ。100でなければならない。どういうことかと言うと、どんな道筋を辿ろうとその執行対象は必ずその執行に値する罪を犯していたという証拠にならないといけない。科学的に数値化したというのが既によく意味がわからない。
犯罪衝動を数値化するのであれば恐らくとんでもないデータをとって数値化することになるだろう。もちろん最新の(今はまだ存在しない)技術で。だとしてもそれはただの統計でしかないので絶対ではない。そもそもこんな世界は成立し得ない。
もし成立するとして、
サイコパス世界での2010年代が現実世界と同じならいくらなんでも早すぎる。犯罪をしていない人、つまり見かけ上は善良な市民を殺すわけだからそんな制度の導入にはもっと長い時間をかけるべきだし、普通かけるだろう。
というか社会は長期的に見て良くなるはずなのに悪化している。おかしい。
100年は短期的に含まれるかもしれないが、さすがにここまでは絶対に悪化しない。
なのでもし、同じ世界線というか、同じ世界観の未来の話ならその時点で完全に破綻している。もし完全に繋がりの無い世界観なのだとしたら2116年とか現実との関連性を匂わせるような具体的な数字はsfなのだから控えるべき。2xxx年にするとか。この時点で少なくとも設定がガバガバであることは事実。

そして残念なことに関連性がない世界線(観)だったとしても破綻している。
犯罪係数が面白いほどに簡単に増減する。
正しく裁くための絶対的な指標であるはずの犯罪係数が。なんなら待てば少し下がる。
そして待てば下がるという概念が何故か常守朱にはある。シビュラシステムが絶対として行動をしているにもかかわらず。(これはシビュラシステムに穴があるのでは?と疑問に思っていることとは全く別でシビュラそのものを肯定と否定両方していることになる。)
犯罪係数とは設定上は絶対ということにしているが、実際はただの感情の昂りを数値化したに過ぎず、犯罪衝動云々とは全く関係がない。
破綻している。
シビュラは正しい→犯罪係数を元に執行
という設定を決めるのは簡単だが
犯罪係数は絶対と証明→正しいシビュラシステムを確立
ということがありえない以上この世界はこの世界であるだけで破綻している。
どう足掻こうとどんな道を辿ろうと100%成立し得ない世界を、こういう世界観なんだなぁで見過ごせるわけはない。矛盾してるもの。
犯罪係数が絶対で信用に足るという設定と犯罪係数が簡単に上下するという設定をよく両立できると思いましたね。「犯罪係数」という設定でよく企画通りましたね。というか「犯罪係数という設定」ってなんだ?誰にも分からない。
犯罪係数ってなんですか?という質問に答えられる製作側の人間がこの世に一人もいないという事実が皮肉の極みで面白すぎる。
他にも粗が目立つ。ホロの設定も都合良すぎ。槙島もカムイも下手コキすぎ(何故か下手をこいてない体で話が進む)
公安力持ちすぎ。


個人的にここまで設定が破綻している作品(しかも人気)には出会ったことがないので面白い。
ぜにげば

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