しろくま

海街diaryのしろくまのレビュー・感想・評価

海街diary(2015年製作の映画)
3.7
《すずちゃん、鎌倉に来ない?》
〝えっ?〟〝一緒に暮らさない?4人で。私たちの家、すっごく古いけど大きいの。みんな働いているから、あなた1人ぐらいなら何とかなるし〟〝でも…〟〝ちょっと考えてみてね〟

鎌倉に住む三姉妹のもとに、幼い頃に出て行った父の訃報が届いた。15年も会っていない父の死に何の感慨もわかない次女佳乃(長澤まさみ)と三女千佳(夏帆)。葬儀に向かった姉妹は、山形で腹違いの妹すず(広瀬すず)と出会う。仕事の都合で遅れて来た長女幸(綾瀬はるか)は、葬儀の後、見送りに来たすずに、一緒に暮らさないかと提案するが…。

小学館の月刊コミック誌に掲載されていた同名の漫画はかなりコミカルに描かれていて…。父親の葬儀の前日に何故かアフロヘアにしてしまった千佳。それを見た佳乃は〝父親のソーシキでハジけてどーすんのよっ〟ってツッコミを入れるけど、彼女も刺激強めのへそ出しルックで、温泉旅行にでも行くようなノー天気さだったのだが…。

そして漫画を読んで心揺さぶられたあのシーン。〝すずちゃん、大変だったでしょう。ありがとうね〟っていう幸のねぎらいの言葉を聞いて、こらえきれなくなって〝降るような蝉の声もかき消すことができないほど、すずちゃんの泣き声は激しかった。この子は、この夏何度ここで涙を流したんだろう。もう助からないお父さんとずっと一人で向き合ってきたんだ〟っていう感動描写が、映画ではめちゃめちゃあっさりしていて…。

全9巻の漫画を2時間にまとめているので、かなり駆け足になってしまったが、姉妹の絆を紡ぐエピソードが満載。漫画のイメージ通りのキャスティングで、鎌倉の景色も素晴らしい。

ちょうど梅酒用の梅や氷砂糖、ホワイトリカーが店頭に並んでいて、作ってみようかという気にはなっているけど、なんか大変そう?

視聴メモ:2023.06.16/098/図書館DVD
しろくま

しろくま