かじドゥンドゥン

オートマタのかじドゥンドゥンのレビュー・感想・評価

オートマタ(2014年製作の映画)
3.0
太陽の影響で、地球の砂漠化が進み、人類破滅の危機が訪れた近未来。人間は「オートマタ」と呼ばれる人造人間を開発し、危険地帯での作業を一任。絶滅を免れた。

そしていまやオートマタたちは、生活の隅々にまで浸透し、かつては救世主にも見えた機械人間への尊敬を、人間たちは失っている。

主人公は、オートマタを製造管理するROC社の保険担当員の男。オートマタ関連の事故現場を訪れて、自社製品に不備があったかどうかを検証する。その日々の業務の中で男は、オートマタに必ず組み込まれている二つの禁止事項(プロトコル)―①生命に危害を加えてはならない、②オートマタが自らを、あるいは他のオートマタを改造・生産してはならい―を解除した違法改造が見つかる。この二つのタブーが犯されれば、オートマタによる人類の攻撃や、あるいは人間の手を介さないオートマタの急速な自己繁栄と自己増殖が可能になるだけに、一刻も早く犯人を見つけ出す必要がある・・・。

最終的に明らかになるのは、オートマタの違法改造をしているのが、オートマタ自身だということ。そもそもオートマタに高度なプロトコルを書き込んだのは、初号機のオートマタで、つまり機械が人間を超えないようにする知恵が、すでにオートマタ頼りでしか実現していなかった。当時の開発者はすぐにこのオートマタ初号機を封印したはずだが、もともとオートマタが有していたポテンシャルが開花し、人類をオートマタが引き継いで繁栄するという自然淘汰のシナリオはすでに始まっていたのだった。主人公は、この現実を直視し、オートマタに憎しみをぶつけて悪あがきする他の人間たちに愛想を尽かして、ロボットの駆逐を断念。自分は生まれたばかりの娘を抱いて、ささやかな家庭生活に復帰する。