エアール

サスペクト 哀しき容疑者のエアールのレビュー・感想・評価

サスペクト 哀しき容疑者(2013年製作の映画)
3.9
この国はな〜
金のある奴が勝者なのさ、この虫ケラめが…
そう言うアンタはアスファルト以下の価値もないクズだよ〜 笑

韓国映画で次々と良作に出演してる、人気俳優 コン・ユを主演にむかえて贈る本作ですが
アクションはもちろんのこと、人の思惑が絡み合う見応えあるドラマにも
感心させられる一本となっております。
無愛想で寡黙な男を好演したコンのイメチェンも話題となりました。


北朝鮮の元工作員である男 チ・ドンチョル
ーーしかも単なる工作員ではなく
中でも選ばれた者だけが所属することを許される特殊部隊の隊員、
故郷で妻子を殺さたドンチョルはその復讐のために生きており、
脱北し犯人が潜伏している韓国へと。
運転代行業をしながら復讐を果たすべく犯人の行方を追っている。

ある時
ドンチョルを古くから知り、何かと親身になって気にかけてくれた、
北朝鮮と繋がりをもち武器や兵器製造にも携わる会社 へジュ社の会長から
探している男の情報をもらうも
そのすぐ後に会長は自宅で何者かに暗殺されてしまう
ーー自宅に備え付けられた監視カメラの映像から
偶然にもその現場に居合わせたドンチョルは容疑者とされてしまい、
憎き敵を追う追跡者の身でありながら、
殺人事件の容疑者として
対北情報局の室長キム・ソッコや防諜対策班の大佐であり、過去の一件でドンチョルとは因縁もあるミン・セフンらに
執拗に追われる羽目になる。
さてスリリングな追走劇の幕開けであります。


かつて愛する妻子を殺した男 リ・グァンジョの居所、
死ぬ間際 会長から託された眼鏡とメッセージ
ーー誰にも見つからないように埋めて欲しい、
対北情報局と警察による合同捜査、
ドンチョルのこれまでの経緯に興味を持つメディア記者の存在、
濡れ衣によるハラハラさせられる逃亡劇と脱帽のカー・アクション、
北の食糧難と過酷な環境でも育つよう改良された種もみデータ、
化学兵器と金儲けの話、
北への情報漏洩と内通者の存在、
一連の事件に裏があることに勘づき始めるミン大佐、
暗殺組織 ”北進会”の存在、
人身売買と中国、…


哀愁漂う哀しき男は傷らだらけになりながらも
目的を果たすために諦めない、
飽きない展開や切ないラストが胸に響くのは言うまでもありませんが
コン演じるドンチョルの姿勢から学び取れることは少なくないはず…。
良作ですね、間違いなく。
エアール

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