ユカリーヌ

味園ユニバースのユカリーヌのレビュー・感想・評価

味園ユニバース(2015年製作の映画)
3.6
【過去に観た映画】2015.4.13

以前、ここ「味園ビル」には
行ったことがあるので、
ここが舞台になると聞いて、
楽しみにしていた。

ストーリー的には、
ちょっと雑な所もあるが、
音楽モノとしては、
とてもおもしろかったし、
間合いもよかった。
これは私が昭和歌謡の世界が好きだからだろうか。

何より、主役の渋谷すばる と二階堂ふみがよかった。
大阪の「味園」というアングラ的な場所にメジャーなキャストという設定が、キャストの新たな魅力を引き出していた。

渋谷すばるは記憶喪失ということで、台詞が少ないが、
何もしゃべらずとも圧倒的に
画面に迫るものがあり、
目が離せなかった。

記憶喪失の時の頭がからっぽの表情、全てを失ったのに歌うことだけ憶えているポチ男の時の佇まい、シゲオであったことを思い出した時の面構えの凄さ。
その演じ分けもよかった。

傷の似合うワイルドさとやさぐれ感がとてもアイドルと思えぬ、極上のクズ男ぶりを
醸し出していて、
ダメ男好きとしては、惹かれてしまった。

実際の「赤犬」のバンドマンたちも個性的だけど、変にりきみがなく、おもしろかった。
バンドマンをたばねるカスミ(二階堂ふみ)が
皆を「オッサン」と呼んであしらうのがとてもおもしろく、いい関係を築いているのが笑えて、いい感じだった。

さすが、ジャニーズ、パンフは完売だった。残念。

「キネマ旬報」4月上旬号では、「映画、音楽に逆襲(リベンジ)す」というタイトルで
渋谷すばるのライブの様子が掲載されている。オリジナルとかも歌っていたが、やはり
「古い日記」がよかった。

♪ 好きだったけど 
  愛してるとか
  決して、決して、
  云わないで♪
ユカリーヌ

ユカリーヌ