レッドキング

さまよう刃のレッドキングのレビュー・感想・評価

さまよう刃(2014年製作の映画)
3.6
娘を殺された父親が、犯人の高校生グループに復讐をする物語。
一方で、彼を追う熱血刑事の「人として」「警察として」の葛藤を描く。
警察としては父親を逮捕しなければならない、一方加害者の高校生は捕まっても数年で釈放されることは分かっているし、父親の無念の気持ちも分かる。
彼が最後に出した答えとは。

少年犯罪や被害者・加害者家族という重たいテーマを扱った作品。
原作は東野圭吾の同盟小説だそうですが、韓国作品なだけあってしっかり重たくなる展開に仕上がっている。

「子を失った親に残りの人生なんてない」
「被害者の人生を踏み台に、加害者の新たな人生が成り立っている」
など、胸にズシリとくる台詞が随所にありました。
一度過ちを犯した人に更生の機会を与えること自体はいいことだと思いますが、
それを隠れ蓑に「もう反省してるんで〜」みたいに、過去のことがリセットされたように振る舞われるのは人情として納得いかないところはありますね。
被害者家族・加害者家族の心情もなかなかリアルで、加害者の息子が殺された親は子供がした犯罪には眼中になく、被害者家族は加害者を憎み続ける。
どちらも子を思う親の気持ちに変わりはないんでしょうが、あるのは憎しみのみ。
犯罪は当事者以外にも、そのまわりの人たちの人生も巻き込んでしまう。

ラストのドタバタは若干萎えましたが、テーマがしっかりしているだけにそこまで気にはなりませんでした。
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