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ジャングル・ブックのnamのレビュー・感想・評価

ジャングル・ブック(2015年製作の映画)
3.9
「少年以外全部CG!ジャングルで育った少年の居場所探しの冒険譚」

監督は「アイアンマン1・2」「シェフ三ツ星フードトラック始めました」の監督であり、アイアンマンではハッピーとしてもお馴染みジョン・ファブロー監督です。
オリジナルのアニメはほぼ記憶がなく。陽気にジャングルの動物たちが歌って踊っていたなくらいの印象でした。

どちらかといいうと原作の小説の雰囲気に近く時にダークな雰囲気も残しつつもジャングルで生きる意味や自身の居場所を探すストーリーですが、オリジナルのアニメへのリスペクトもしっかりと忘れていない所が良かったです。

ストーリーは幼い時にジャングルで拾われ、オオカミに育てられた少年モーグリがある日人間を嫌うトラのシアカーンとの対立から。ジャングルを出る事にそこでクマのバギーラなどと出会い自分の居場所を探していくというストーリです。

なにより驚いたのが少年以外が背景も含め、動物などほぼ全てがCGで作られているという事!もうCGはここまでできるんだと思ってしまいました。
自然の森や水などの質感や動物たちの動きは本物にしか見えませんでした。

そして当初は「実写のリアルな動物たちが話たりするのはどうなんだろう」「アニメでコミカルに表現してたから感情表現できてたのだろう」と実写での動物表現に懸念はありましたが、そこはさすがディズニーといっった所で動物のリアルな挙動がありつつも、会話などはちょっとして仕草や表情などでまるで人のように感情があるかのように表現されています。

さすがにアニメのようにオーバーな表情やコミカルさこそはないのですがリアルな動物たちの感情を表現するにはやりすぎず丁度いいくらいバランスに感じました。完全に動物というわけでなく声を演じている役者の表情にも似せていたりします。黒豹のバギーラはカッコいいし、クマのバルーも陽気な感じも良かったです。さらにヘビのカーのスカヨハの演技は妖艶でした。
(ファブロー監督と本当仲いいんですね)

またオリジナルへのリスペクトとして人気だった「ベア・ネセシティ」「君のようになりたい」の2曲はリメイクし残してくれてました。特に「君のように」ではメイキングを見るとディズニーの数々の名曲を作ってきたレジェンドでもあるシャーマン兄弟のリチャード・シャーマンをスタジオに呼んで、新設定である猿のキング・ルーイの設定も伝えると彼は新たにそれに合わせて作詞をしてくれたようです。

ジャングルブック自体もウォルトが生前携わった最後の長編アニメ作品でもあるのでこういったオリジナルへのリスペクトを忘れず作ってくれるファブロー監督素晴らしいです。

ジョン・ファブローは実写の「ライオンキング」も担当するので、彼なら安心できる!と思わせてくれる作品でした。動物の実写表現に対する不安も払拭されたので、公開がとても楽しみです。

ジョン・ファブロー監督の実写ディズニー作品という事でライオンキング前の予習としてもオススメです。
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