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マイ・インターンのkmtnのネタバレレビュー・内容・結末

マイ・インターン(2015年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

デニーロが素晴らしいのは間違いないが、だからと言って今の感覚だと良い映画とは言いづらいと思う。
女性の立ち位置が全体的に「男性が好意を持ちそうなキャラクター」に終始している。
metoo前夜の作品だなーという感じ。


個人的なこれまでの経験を基に話せば、
PCが全く使えない人材(段々と使えるようになってる描写もなくはないが)が如何に経験豊富な知識があろうと、
実務レベルで口出しをしてきて、周りの人が従うとは思えない。


過去、PCが会社の中心に来るまでは、会社は分業制で、「書類のファイリング係」や「営業資料作成係」など沢山の役割の人間が会社に居たという。

「パソコンがない時代、どうやって仕事してた?」に反響 「庶務の女の子が沢山いた」「時刻表とタウンページで出張の準備」
https://news.nicovideo.jp/watch/nw6100052

現代社会に於いては、すでに部署の垣根はPCにより消滅しつつあり、1人の人間が何から何までこなして行かなければならない状況が企業内では起こっている。
現場の業務は過去よりも明らかに複雑化し、現場は多くの業務に忙殺されていて、
「こうやったら良い」「ああしたら良い」というアドバイスは有難い部分もあることは否定しないが、
「こうやるんだ」と実際にやってみせるスキルこそ必要であり、そういう指導者こそ求められる。



ベンの知識は強みになり得るが、現場ではなく社外アドバイザー的な立場で、彼の知識を現場に実践的、かつ業務に応用可能なレベルで伝える役目の人間がいなければ、
「あーはいはい、昔の話ね」で終わってしまうと思う。
ベンが作中で、実際にやって見せたことは、社長の送迎、物置デスクの掃除、お母さんのPCメールを消すなど、業務というよりかはかなり雑用である。
彼が人格的に優れているのは間違いないが、そこから導き出されるのは、頼れる先達という立ち位置ではなく、変わり種のマスコットキャラクター的な立場でしかないのではないかと思う。



と言うわけで、オールドマンが先鋭的なITを活用している新興企業に対して、昔の知識で次々と問題解決……というのはかなり違和感。
しかし出でくる人間は良い人が多く、そう言った意味でのストレスはあまりない(女性描写に難あり)。


後半急に浮気の話になり、え?そういう話??となる上に、妙に都合の良い感じの着地となる。
自己承認欲求が満たされないのか、不倫に走る旦那に、不倫に対して妙に物分かりの良いアンハサウェイ。
たぶん昨今、こういうストーリーテリングが良いとされることはないだろうし、THE 男に都合の良い女すぎるアンハサウェイにドン引き。
僕の予測では旦那はまた不倫すると思うよ。
まぁハッピーっぽい感じに描かれてたし、これはこれでいいのかもね。
知らんけど。


つまるところ今作が観客に伝えたいメッセージは「ヨガやろうぜ!」ってことだろう。
GTA5でもマイケルがやってた。
今は知らないが、ちょっと前のアメリカの金持ちの流行り?
ちなみにヨガをやる人のことを「ヨギ」と言う。
何故だかこの言葉が好きだ。
ヨギデニーロが見れると言う意味では良い映画かも。
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