みのる

マイ・インターンのみのるのネタバレレビュー・内容・結末

マイ・インターン(2015年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

この映画の主人公である70歳のベンは、とても素敵な人柄だ。周りをよく観察し、気さくで、落ち着いていて、有能である。
彼があまりに人と自然に距離を詰めるため、インターン先のCEOにしてベンの直属の上司、ジュールズに「目ざとすぎる」として距離を置かれそうになったほどだ。しかし、ベンは本当に関わる相手を思いやって行動するから、ジュールズもベンに心を開き、友人として頼っていく。

ただ普通に歳を取るだけでは、ベンのような人格にはなれないんだろうなと思った。途中、同じシニアインターンで雇われた女性がベンに代わりジュールズの車を運転するシーンがあるのだが、運転が荒すぎてすぐ降ろされてしまっていた。
正直、私がこのまま歳をとってシニアインターンとして新しい会社に勤めることになっても、ベンのような働き方ができるとは思えない。そういう意味で、ベンは多くの人の「こうありたい」と思う歳の取り方をした、理想的な老人だと言えるんじゃないだろうか。ベンの他のシニアインターンの人たちは映画内であまり描かれないが、むしろそうした人たちの方がきっと老人としてリアルな在り方だと思う。(映画を見る前、新しい会社についていけない老人の姿が描かれるのかなと思ったが、そう言う描写もあるにはあるけど少ない)

マイ・インターンでは、そうしたベンの成長といった要素は描かれない。もう人として成長しきっているのだから当然だ。
それよりも、もう1人の主人公であるジュールズの、会社や家族との関わり方を通して、人生の問題にぶつかっていく様をすごくリアルに描き出している。ベンの存在にリアル感がないからこそ、ジュールズの苦悩や、人として未熟な部分、それによる葛藤から逃げずに人生に向かっていく姿がより一層引き立っていて、とても良いなと思った。

私もベンのような人格になりたい!と思うと同時に、ジュールズを応援することによって自分の問題に対しても前向きになれる、すごく良い映画だった。
私もベンのように毎日なにか運動することから始めようかな…
みのる

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