ナツミオ

レヴェナント:蘇えりし者のナツミオのレビュー・感想・評価

レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)
4.2
WOWOW録画鑑賞
【アンコール!アカデミー賞特集2023】

”復讐は神の手に委ねる…”

初鑑賞。
そして初イニャリトゥ監督作品。
レオの初オスカー受賞作の演技と坂本龍一の音楽が聴きたくて。
静かなシーンが多いが引き込まれる作品。

レオナルド・ディカプリオが、第88回アカデミー賞でついに主演男優賞を初受賞した、話題のサバイバルアクション。監督は鬼才アレハンドロ・G・イニャリトゥ。
音楽を担当したのは坂本龍一。
R.I.P.

受賞歴
第88回(2015)アカデミー賞
3部門受賞(主演男優・監督・撮影賞)
他多数の受賞・ノミネート

原題 『The Revenant』(亡霊)

2015年米作品157分
監督・製作・脚本 アレハンドロ・G・イニャリトゥ
製作総指揮 ブレット・ラトナーほか
製作 アーノン・ミルチャン スティーヴ・ゴリンほか
原作 マイケル・パンク 『蘇った亡霊:ある復讐の物語』
脚本 マーク・L・スミス 
音楽 坂本龍一 カールステン・ニコライ
撮影 エマニュエル・ルベツキ
出演 レオナルド・ディカプリオ トム・ハーディ ドーナル・グリーソン ウィル・ポールター フォレスト・グッドラック 

翻訳者 松浦美奈

(WOWOW番組内容より)
1823年、ミズーリ川流域。ヘンリー隊長らハンターの一団は、娘をさらった白人を捜す先住民たちに襲われ、ガイドのグラスとその息子ホークは生存者たちと船で脱出。グラスは川を下るのは危険と判断し、隊長に陸路での帰還を提案。一行は約300キロの行程を歩くことにするが、グラスがハイイログマに重傷を負わされる事態が。隊長はグラスをいったん現地に残そうとホークや部下のフィッツジェラルドとブリジャーに託すが……。

(WOWOW解説より)
ディカプリオの役は19世紀から伝説が語り継がれる実在の人物ヒュー・グラス。
彼が体験した決死の生存劇を、イニャリトゥ監督は前年度に発表し、アカデミー賞で作品賞など4部門に輝いた「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」と同様、めくるめくような映像を駆使して迫力満点に再現。カナダなどの極寒の高地でのロケで、ディカプリオはまさに体当たりの熱演に臨み、5回目のノミネートでオスカーを初受賞。イニャリトゥが「バードマン~」に続いて監督賞を2年連続受賞したのも史上3人目の快挙。


アメリカの西部開拓時代を生きた実在の罠猟師ヒュー・グラスの半生と、彼が体験した過酷なサバイバルの旅を描く。

生と死を描きながら、先住民の妻子を持つ白人ガイド、ヒュー・グラスのサバイバルと復讐を描く人間ドラマ、西部劇。
これは良かった〜‼️

満身創痍のレオが痛々しい。
“亡霊”の様に生と死の間を彷徨いながら復讐のための生への執念。その演技は圧巻‼️

観ていて、静かなシーンや先住民との関わり、生と死を描く内容に、全く違う作品だが、
ジム・ジャームッシュ監督の『デッドマン』(1995)が思い浮かぶ。


以下、ネタバレあり
【キーワード】
・サバイバル術
 首の傷に火薬をかけ火をつける止血法⁈
 
 バッファローの死骸の骨から骨髄を食料に
 
 馬と共に谷底に落ちたグラスが死んだ馬  
 の腹の中に入り暖をとる

 余談だが、TVドラマ版『ハンニバル』 
 でも馬の腹から人間が…

・生と死

・死生観

・監督が亡くした息子への想い

・レオの演技

・風景は時に広角で撮影。自然の厳しさ、美しさを捉えるため自然光や、マジックアワー(黄昏時)での撮影にこだわった。
 雪山、森林、川、凍った湖が雲海の様に見えたりと、幻想的なシーンも見どころ。
撮影のエマニュエル・ルベツキは、アカデミー賞撮影賞を受賞。


【印象のシーン】
・グラスと親熊との死闘
  グラスは間違いなく死んでる⁈
  
  MTVムービー・アワード 2016 で
 “最優秀ファイト賞
ヒュー・グラス vs 熊” ノミネート
  こんな賞がある⁈(笑)

・瀕死のグラスはポーニー族のヒククに助けられ、彼の教えはグラスに影響を与える。『デッドマン』を想起させる。

 ”復讐は神の手に委ねる“

そして終盤にまたこのセリフが……

・廃墟の教会。鐘楼の鐘が風も無いのに揺れる
 生と死の狭間。

 教会で亡き息子ホーク(フォレスト・グッドラック)に出会い抱擁する。
 
 気がつくと焼けた木を抱きしめていた。
 死の淵を彷徨う。

・グラスの前に亡き先住民の妻(グレイス・ドーヴ)の姿が度々現れる。
 これも生へ執着する啓示なのか

・音楽は静かに語りかけるような劇伴。

製作には、マジックアワーの短い時間帯での撮影や、砦のシーンでは全方位どこからでも自然に見える様にセットが組まれるなど、こだわりを感じられる。
また時系列順の撮影や、過酷な環境で撮影など苦労も多かったそう!
(詳細は忘備録に)

全体に静かな描写。アクションを求める方には物足らないかもしれないが、全体の雰囲気、映像、物語は深く余韻も残る作品。
楽しめました‼️


【忘備録】ネタバレ無し
(キャスト)
・ヒュー・グラス Hugh Glass
- レオナルド・ディカプリオ
地元民の白人ガイド。

・ジョン・フィッツジェラルド
John Fitzgerald
- トム・ハーディ
毛皮捕獲ハンター。
過去、先住民に頭の皮を剥がされた過去。

・アンドリュー・ヘンリー 
Captain Andrew Henry
- ドーナル・グリーソン
毛皮捕獲ハンターの隊長。

・ジム・ブリッジャー Bridger
- ウィル・ポールター
毛皮捕獲ハンターの若者。

・ホーク Hawk
- フォレスト・グッドラック
ヒュー・グラスの一人息子。
母はポーニー族。

・アンダーソン
- ポール・アンダーソン

・マーフィー
- クリストッフェル・ヨーネル

・スタビー・ビル
- ジョシュア・バーグ

・エルク・ドッグ
- ドウェイン・ハワード
エリカラ族リーダー。さらわれた娘ポワカを探す為、白人たちを襲う。

・ポワカ
- メラウ・ナケコ
エルク・ドッグの娘

・トゥーサン
- ファブリス・アッデ

・ヒクク
- アーサー・レッドクラウド
グラスを助けるポーニー族。

・ブーン
- クリストファー・ロザモンド

・デイヴ・ストマック・ウーンド
- ロバート・モロニー

・ジョーンズ
- ルーカス・ハース

・フライマン
- ブレンダン・フレッチャー

・ウェストン
- タイソン・ウッド

・ベケット
- マッカレブ・バーネット

・ヒュー・グラスの妻
- グレイス・ドーヴ

・ジョニー
- ブラッド・カーター(クレジットなし)


【製作】(Wikipediaより)
キャスト、スタッフが明らかにしているところによれば、自然光での撮影、それも特にマジックアワーと呼ばれる1日1時間半程度の黄昏時の撮影にこだわり、撮影セットは東向きの「朝用」と西向きの「夕方用」の2種類が用意された。
また、劇中に登場する砦のセットは「全方位どこを写しても自然に見える」ことを目指して制作された。時系列に沿って「順撮り」で撮影していたため、当初撮影したカナダでは、予想以上の暖冬であったこともあり、撮影中に雪が早々に溶けてしまった。そこで、季節が反対の南米の高地に移動して撮影が続行され、ロケ期間は9ヶ月に及んだ。
撮影は極地で行われ、凍った川に入ったり、実際に生肉を食い、動物の死体の中で眠る等、過酷なものであった。


【受賞】
・第36回ボストン映画批評家協会賞 主演男優賞 レオナルド・ディカプリオ 受賞

・第19回オンライン映画批評家協会賞[5][6] 主演男優賞 レオナルド・ディカプリオ ノミネート
撮影賞 エマニュエル・ルベツキ ノミネート
編集賞 ノミネート

・第19回トロント映画批評家協会賞
主演男優賞 レオナルド・ディカプリオ 次点

・第73回ゴールデングローブ賞
映画作品賞 ドラマ部門 受賞
映画作品賞 ドラマ部門 主演男優賞 レオナルド・ディカプリオ 受賞
監督賞 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ 受賞
作曲賞 坂本龍一 アルヴァ・ノト ノミネート

・第21回クリティクス・チョイス・アワード
主演男優賞 レオナルド・ディカプリオ 受賞
作品賞 ノミネート
監督賞 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ ノミネート
助演男優賞 トム・ハーディ ノミネート

・第36回ロンドン映画批評家協会賞
英国/アイルランド男優賞 トム・ハーディ 受賞

・第27回アメリカ製作者組合賞
映画部門作品賞 ノミネート

・第66回アメリカ映画編集者協会 エディ賞 ドラマ映画部門 ノミネート

・第22回全米映画俳優組合賞
主演男優賞 レオナルド・ディカプリオ 受賞

・第68回全米監督組合賞 
長編映画部門 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ 受賞

・第43回アニー賞 キャラクターアニメーション賞(実写作品) 受賞

・第69回英国アカデミー賞
作品賞 受賞
監督賞 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ 受賞
主演男優賞 レオナルド・ディカプリオ 受賞
撮影賞 受賞
音響賞 受賞

・第30回全米撮影監督協会賞 
映画部門 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ 受賞

・第20回サテライト賞
主演男優賞 レオナルド・ディカプリオ 受賞
作品賞 ノミネート
監督賞 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ ノミネート
脚色賞 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ マーク・L・スミス ノミネート

・第52回アメリカ映画音響協会賞
実写映画部門 受賞

・第88回アカデミー賞
監督賞 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ 受賞
主演男優賞 レオナルド・ディカプリオ 受賞
撮影賞 エマニュエル・ルベツキ 受賞
作品賞 ノミネート
衣装デザイン賞 ジャクリーン・ウェスト ノミネート
編集賞 スティーヴン・ミリオン ノミネート
メイクアップ&ヘアスタイリング賞 ノミネート
美術賞 ノミネート
音響編集賞 ノミネート
視覚効果賞 ノミネート

・第63回ゴールデン・リール賞
映画(英語)音響効果部門 受賞

・エンパイア賞 2016 作品賞 受賞

・MTVムービー・アワード 2016
最優秀男優賞 レオナルド・ディカプリオ 受賞
最優秀ファイト賞 ヒュー・グラス vs 熊 ノミネート
最優秀TRUE STORY賞 ノミネート

・第59回グラミー賞 
最優秀スコア・サウンドトラック・アルバム(映像作品) ノミネート

・第40回日本アカデミー賞
最優秀外国作品賞 ノミネート
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