ゆみゆみ

レヴェナント:蘇えりし者のゆみゆみのレビュー・感想・評価

レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)
4.7
物凄いものを観た!
レオの執念の演技はもう演技に観えない。これでオスカー取れなかったらオスカーって何なの⁉︎

ヒュー・グラスにはネイティヴアメリカンの奥さんとの間にたった一人の息子がいた。その息子を仲間のフィッツジェラルドに裏切られ殺される。瀕死のグラスが、ただ一つの宝を奪われたことで、それこそ死に物狂いで快復して、仇のフィッツジェラルドを追い続ける。何のためにそこまでして生きる?息子の仇に復讐するため。ただそれだけ。もうそれ以外に生きる目的が何もないんだよ…
劇中にもグラスが言っているように、失うものをたくさん持っているフィッツジェラルドより、失うものがもう何もないグラスの方が強い。
途中、フィッツジェラルドが「神」が現れるという話をする。そしてグラスにも二度現れる。殺された奥さんが呼んでくるんだと思った。そして神を冒涜した人間は、きっと痛い目に会う。

現代の私は失うと困るものが多い。だから弱いんだなと思う…究極的に大事なものを絞ったら、娘以外何も残らない。そうか…と思った。

最後の置いて行かれたグラスのアップの表情はこの後どうなるのかと予想させる。痛快でも何でもない結末。考えるとツライ…と思った瞬間、エンディング曲。
音楽も自然の大きさを体現しているようで、とても素晴らしかった。
長いとは思わなかった。あの時間がないと説得力もない。そして映画館で観るべき映画。
ゆみゆみ

ゆみゆみ