ゆみゆみ

瞼の転校生のゆみゆみのレビュー・感想・評価

瞼の転校生(2023年製作の映画)
4.2
齋藤潤くん出演ということで、ファーストデーに観てきた。いやぁ単純に想像とは全然違ってて爽やかに感動した。

子の心親知らず

この言葉に尽きるなと言う印象。中学生は意思決定能力がないですか?そんなことないんだよね。

大衆演劇の旅公演に出演しながら1ヶ月ごとに学校を転校していく主人公裕貴(松藤史恩)、転校先の中学校で毎回クラス1位の成績ながら不登校の建(齋藤潤)、クラス2位の茉那(葉山さら)、3人それぞれに素直に今を生きる姿が爽やかで眩しい。

座長でもある裕貴の父は、将来役者になると言う裕貴を嬉しく思う反面、無理強いしたくない選択肢はあるもっと悩めと言う。あぁこれやったな私も、と胸がギューっと苦しくなった。
中学生でもやりたいことなりたいものはわかるし決められる。それを親は大人は信じてやれないんだよね。どうすれば正解なのか大人もわかってないくせに。

1ヶ月の学校生活だから友達はいらないと転校初日に言ってた裕貴と不登校の建とがある事をきっかけに仲良くなっていく姿は見ていて微笑ましいし、いいなぁって目を細めちゃう。
二人が正直な気持ちを言い合うシーンは泣いちゃったけど、そこに御涙頂戴な演出が全然なくて、サラッと軽く過ぎていく感じがしてすごいなぁってただただ。設定としても見事だなぁって感心した。
ラストはほんと素晴らしかった。色んな意味で中学生の彼らは自身の存在価値を証明していった。好きなものを好きだと言えるのは、生きる意味を与えてくれるよね。

いやホントに良い作品でした。
ゆみゆみ

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